------------------------ 14巻 ------------------------


 はい、もう今回のハイライトはもちろん背中の火蜥蜴!…ですが、はやる
気持ちを押さえて巻頭から普通にいきましょう(笑)

 今回はある意味、1つのクライマックスだったと言えそうです。物語始ま
って以来の疑問が1つ解消されたわけですからね。
 そう、「お父様」はホーエンハイム父さんではありませんでした。うーん。
うちのサイトではかなり初期から同一人物だと断定していたので居心地が悪
いのですが、まぁこれはハズレでも仕方ないでしょ!(負け惜しみ〜/苦笑)
そして閣下はロイに引き続き、エドとアルにも改めて正体を認識させます。
次巻のイシュヴァール編を具にして、これからがサンドイッチの下のパンね。
まずは激似のおぢさん2人と戸籍問題からいってみましょうか。

 「お父様」がホーエンハイムと別人と判明したことで、今度はそれなら彼
らはどういう関係か、という疑問が提示されたわけですね。
「お父様」はホーエンハイムを知っているけど、息子が2人いて彼らこそが
エルリック兄弟であることは知らなかった。いや、それ以前にかなり長いこ
と会ってない感じです。でも「子供を作っていた!」と驚く背景には、「女
がいたのだな!」…じゃなくて、子供ができるはずがない→ホーエンハイム
がホムンクルスの身体なのを知っている、という事情がありそうですね。
(いや、ホムではない可能性もあるけど、どうやら不老不死は本物。)

 この件に関しては皆さまから色々とご意見を頂いて、この疑問に最も有力
だと思われる仮説がまとまっていますので、この場に置いておくつもりです。
まずはこれ。
1:ホーエンハイムとお父様=兄弟(あるいは血縁)説
 そう仮定するときれいに説明できる事柄が幾つもありますものね。例えば
顔がうり二つの理由、過去に知己だったらしい理由、どちらも賢者の石を知
る天才錬金術師である理由…。そしてもう一つ、重要なのはこれ。

2:東の賢者と西の賢者がそれぞれこの2人だった説
 考えてみれば確かに、シンに行った人物の方が人間にプラスに働いている
ように見えるんですよね。錬丹術は医療系が主流のようだし…。ですから、
こちらがホーエンハイム父さんだったという説には説得力があります。
 そしてお父様の方は、完全な人間を作ること(不老不死の国…つまりホム
ンクルス王国の建設でしょうか?)を目論んで、莫大な賢者の石を作る為に
一国を成した(その前に一国滅ぼしていますが)。その後、その国アメスト
リスに錬金術を伝えたのは、もしかすると「人柱」を養成するため…だった
のでしょうか。
 そしてこの2人の力量が拮抗していたとすれば、悪の道に走った方(お父
様)を成敗できるのはもう片方・ホーエンハイムだけ…と考えると、これは
非常な説得力を持ちます。鋼ストーリーの全貌が、これで一応説明できてし
まうようにさえ思えますね。ホーエンハイムがずっとあの錬成陣(国全体に
広がる巨大な)を研究していたのも、かなり早い段階で「お父様」の計画を
把握していて、それを阻止する機会を待っていたと考えれば無理がないし、
旅行中のイズミに言ったという「長年の望みがかなう」という言葉も、まさ
にそれを示唆しているように聞こえますよね。
 考察好き、予想好きの方々のために、これは仮説としてここに置いておき
ましょう。
(シューミ様、アルファキュート様、ご意見を有難うございました!)


 さて、一方の戸籍問題ですが(笑)ホーエンパパがトリシャと籍を入れず
にいたのは、これは絶対、自分の子供だと悟られぬよう母方の姓で通させる
ためでしょう。
 もしかしたら…あの夫婦の約束というのは、自分(ホーエンハイム)が帰
宅するまでエドアルを必ず手元で守ってくれ…という類のものかも知れませ
んね。それだと、約束を守れなかったというトリシャの言葉とも違和感がな
いし、夫婦仲を疑うような問題もなかったと考えられそうです。
 そう!今回の単行本化で驚いたのが、巻末の短編がまさに「夫婦の絆」を
強調する内容だったことです。たとえトイレからだったにせよ、パパは母性
の愛しさを説いている…これは人間を虫けら扱いする「お父様」とは対照的
です。彼は真のマイホームパパなのです!
 ではなぜ、子供がいるとバレてはいけなかったのか。それはやはり、そん
な才能があるとお父様に知られるのがまずかった、とか。それとも、エドと
アルはパパの秘密兵器で、彼は自分の子供たちが将来優れた錬金術師になっ
て「人柱」にされることを、ある程度予測していたのかも知れませんね。イ
ズミに接触したことも、彼女がエドの師匠であることをパパは知っていて、
後を辿ってくるはずの息子のためにヒントを残したとも思えます。だって、
初対面の人に賢者の石の話なんて普通しないだろうし…。ただ、ピナコに残
した警告だけはちょっと気になりますね。


 そしてこの巻でのもう1つの大事件は、リンが「強欲」になってしまった
ことでしょう!ひーまさか自分からホムンクルスになってしまうとは!剛胆
ですねぇ…こんなやり方で賢者の石を持ち帰ろうなんて…。もちろん後で何
とかしてグリードとの肉体争奪戦に勝たねば意味がないわけですが、この子
ならちゃんと「リン」として帰国するような気がしますよね。極悪なグリー
ドとのやり取りは、なかなかかっこいいですv(いや、でも今度のグリード
はかなり良い奴みたい。約束は守るし、嘘はつかないし、仁義の分かる漢の
ようですね。この2人、けっこう仲良し?ど根性ガエル状態?/笑)
 これでホムンクルスにも幾つかの生成パターンがあることが判明したので、
以下想像ですが4パターンに分類などしてみました。

1:石の中の魂が勝って、本人の容姿も残らなかった型
2:石の中の魂が勝ったけど、本人の容姿は残った型
3:本人の魂が勝ったけど、本人の容姿は残らなかった型
4:本人の魂が勝って、本人の容姿も残った型

これでいくと、エンヴィーは1ですかね。ラストとグラトニーは2?…よく
分かりませんが、「お父様」がグラトニーを再生している(?)ように、人
体ベースではない作り方もあるみたいですから、一概には言えないみたい。
そしてリンは今のところ2のパターンに見えますが、きっと後で4のパター
ンになって祖国に帰ることでしょう。いや、すでに4なのですが、2のフリ
をしている…と言った方が正しいのかな(笑)
 さて…ロイアイスキーにとって切実なのは閣下ですね。容姿は確実に残っ
てますから2に思えますが…果たして魂はどちらのものか?実はこれ、閣下
が「この魂がどちらのものなのかは分からない」と言った時から疑問だった
のですが、「どちらか分からない」と思っている時点で本人の魂なのではな
いかと…思うんですけどねぇ。だって幼少の頃からの記憶も残っているし。
石の魂が勝っていたら、何の迷いもなく「ぐはは俺様はラースだ!」となる
ような気がしませんか?
(すみません…私は「閣下は裏切る」説の支持者ですから、お父様に反逆し
てもらうためには本人の魂であって欲しい!というのが本音です。あ、自供
してしまいました/笑)
 真面目なところ、牛先生がシン国キャラを登場させた理由は幾つかあるの
でしょうが、その一つがリンを賢者の石の生け贄にして、よく似た状態にあ
る閣下と真っ向からぶつけること、だったと思うんです。「人間をなめるナ」
というリンの言葉を、閣下はどう聞いたのか。(あんなびっくりしてーv)
そしていつかリンも、閣下との因縁の言葉「真の王などいない」の意味を噛
みしめる時が来るのでしょう。その上で、「臣下を捨てられない男」をぜひ
全うしてほしいものですね!


 さて、ストーリーは加速度的に今までの伏線を消化していってますよー。
メイちゃんはエドと感動のご対面を果たし、妄想と現実のミゾを埋め(笑)、
スカーはやっとやーーーっと復讐すべき相手を正しく認識してくれました。
長かったなぁ…。
 しかしここにきてアルが男前ー!そっか…ちゃんと成長しているんだね。
ママは嬉しいわv(←おい…)きちんと女の子を気遣うあたり、エドより如
才ないですよね、アルって。スカー&メイも大と小のコンビでとても微笑ま
しいのですが、アルとメイもなかなか可愛いペアですね。エドとメイよりも
ずっとお似合いvま、どちらにしても身分違いの恋らしいけど(笑)

 ここでもう一つ、今後の展開への大きなヒントが示されていますね。曰く、
「お父様」はこの国の錬金術の発動を自在に操れること、そしてシンの錬丹
術とスカーの錬成陣は「お父様」でも封じることができないこと。
 その理由として考えられるのは、エドたちの学んだ錬金術体系そのものが
「お父様」の考案・開発によるものだから、という説です。術の「元祖」ゆ
えに、発動も制御も自在なんですね。これは「お父様=東の賢者」の仮説の
裏付けになります。一方で「ホーエンハイム=西の賢者」だと仮定して、彼
が打倒お父様のために「錬丹術」を編みだしてシンに伝えた…とすれば、き
れい筋が通るわけです。ホーエンハイムの錬金術は「お父様」のものとは別
の経路で発動するんですね。(錬丹術についてはPG2に説明があります。)
 これがきっと、来るべき最終決戦でエドやロイたちが勝利するための鍵に
なるのだと思います。シン国キャラの存在意義は、まさにこの点に比重がお
かれているのでしょう。
 もちろんホーエンハイム自身も今、その時のために動いているはずです。
あの山で何をするのかは、16巻あたりで明かされるかな…。


 さて!そして!ロイアイ再会〜v な、長い一晩だった…。いえ、読者に
とっては3ヶ月だったわけですが、この間に我々がどれだけのストレスを与
えられたのか、計れるものなら計りたいです(笑)(そして閣下とロイが何
リットルの紅茶を飲んだのかも計りたい/笑)

 大総統の「これからどうする?」に対して「負け犬にはなれない」「私の
野望のために」と言い放ったロイには萌えましたv そう来なくっちゃね!
対する閣下も「よろしい」と満足げに了承した様子。部屋を出たロイは、リ
ザに「試されている。光栄じゃないか」と語る…。このへんはすでに予測済
みなのですが、それでも 萌 え た っvv
 そして閣下はエドに対しても、銀時計を返したら「(後日)自らの意思で
持っていたくなるだろう」と言い切りましたね。傍目には、ウィンリィを楯
に取り「素直に人柱になれ」と聞こえる。でも惑わされてはだめです。閣下
はすでに、「お父様が滅んだ後」を考えているはずだから。そこはきっと、
健全な軍部と「大衆のための錬金術師」が存在する、「若者たちの」世の中
になっているはず…。だからこそ、閣下はエドにも「未来のために捨てるな」
と暗に示したのだと思いますね。

 しかし、やっぱりあの病院での見舞いのシーンは伏線だったんだ〜!嘘は
言ってなかったんですね。…時が来れば、か。以前の大総統考察では私、こ
の「時」は「ロイが政権を執る時」だと書きましたが…(考察#5:自らに憤
怒する男、にて。ご興味もたれた方はこちらからどうぞ→
もっと正確に言うなら「若者たちの時代になった時」でしょうかね。うん。
そしてその時、閣下はどんな表情を見せてくれるのか…。元人間の意地で企
てられる大陰謀…見守りたいものです。
 あ、武闘派についても突っこまないと!…武闘派ねぇ…指ぱっちんに体術
って必要なのかな(笑)(だってラフ画集にロイの格闘ポーズなんて一枚も
ないよ?マッサージチェアはあったけど;)


 そしてやっと、ファン待望のシーン!!待っている「女性」のもとへと走
る「男」v息せききって、傷をかばいながら走るロイは格好悪くていいなv
偉そうな彼もいいけど、カッコつけることも忘れてヘタレに見える彼の方が
好きだなぁ。男は誠実さを見せてなんぼですから!
 とにかく、夫婦な2人にどれだけ飢えていたことか……身にしみましたv
「どこのどなたですか?」「がしがし(ホッ)」「何を今更」どのセリフも、
2人の絆は何のダメージも受けてないことを示していて愛しかったですv

 これで何とか、会えずにずーっと…という最悪の線は免れたわけで!あと
は飼い殺し中、閣下が人柱たちの自由をどの程度許してくれるのかがネック
だったわけですが……意外にも、かなりの自由を認めてくれるようですね。
 「余計な事さえしなければ」兄弟が旅を続けるのもOKとは驚き。そして
ロイをあっさり放免したということは、彼がリザと接触して洗いざらい話し
てしまっても構わないということ。これだと、直属の部下でなくなっただけ
で事実上は「好きにしなさい」という状態に見えますね。情報交換を禁じた
いのなら、前もってリザを別の場所へ呼んでおくはずだし。情報が漏れても
OKということは、リザが今後スパイ活動をしても意味がないわけか…。
 それなら、今後ロイが北へ飛ばされることがない限り、2人は今までとあ
まり変わらない生活ができる…の…かも知れません。万歳v
 あ、直属の上司部下じゃないなら今までより自由恋愛度が増したりしませ
んか?もしかしておいしい関係かしら!!(←脳天気)

 閣下の言う「余計な事」というのは、具体的には今の段階で「お父様」の
計画を邪魔しようとすること、でしょうね。閣下としては、今はあくまで
「お父様」に従順な様子を見せておかねばなりませんから、人柱たちには大
人しくしていてもらわないと困る。でも、彼があの場でロイの野望を了承し
たということは、ロイが「お父様」の計画を最終的には壊すのもOK、とい
う意味ですから、以前の「悪いようにはせん」という言葉も含めて、ロイと
閣下との間には手探りの協力関係みたいなものを感じますね。(エドはまだ、
閣下の生い立ちを知らないし。)
 あとの心配は「扉」のことだけ。信じてますよ……閣下!


 そして言うまでもなく、最大の焦点はリザの背中です。が、この件に関し
てはすでに喉が腫れるほど叫び、考察もまとめましたので、ここではごく簡
単に触れるのみにしておきます。
(ご興味もたれた方は、詳細な考察#6「火蜥蜴を背負う女」へどうぞ☆→
ただし、この考察は4月号発売時点でのものです。それ以降の考察について
#7#8、そして本誌感想を合わせてご参照下さい。)

 とにかく、その禍々しいまでの入れ墨錬成陣はインパクト原爆級…。悩ま
しい細腰も、チラリズムが罪なセクシーバストもまぶしすぎ!…なのに、あ
のサラマンダーを見たら、普通に暮らしてきた女の子じゃないことは一目瞭
然なんです。本誌を読んでいた目にはもう慣れましたが、当初はまるで悪魔
の紋章みたいに見えたものですよ!
 コミックス派の方々のために詳細なネタバレは避けますが、それでもこの
たった2コマを見ただけで、読者が悟ってしまうことは膨大でしょうね。例
えばまず、ロイとリザがもはや単なる職場の付き合いだけとは考えられない
こと、そしてそれは運命的な出会いと、濃密な過去を伴っていそうなこと。
ええもちろん、ロイはあの陣を知っているはずです!(と、本誌発売当時に
叫んだのです/笑)そうでなければ逆におかしいですよね!その上で、彼は
あの傷ごとリザを愛しているんですよ…!!

 実は、サイト創設時から相愛を信じてきたうちのサイトにとっては、彼ら
がこれで晴れて「作者公認男女の仲で間違いなし」となったことにも、それ
ほどの驚きはなかったんです。で も ……!!リザがここまで話の本筋に
関わっているとは……そして彼女とロイが、こんな重苦しい、切るに切れな
い鎖みたいな物でつながれてしまっている2人だとは、想像したこともなく
て…泣けました(涙)
 彼ら2人の「絆」って、尋常ではない「絆」だったんですね。なんていう
か…そう、不可侵。他の誰も入り込めない絆を感じませんか?だってあの焔
の錬成陣、恐らくロイのためだけに存在するものなんです。というかもう、
リザ自身がロイだけのためにいるみたいな……!!
 過去の詳細な事情については次巻で明かされるので、ここではこれ以上の
ネタバレはやめますね(笑)でも、ロイアイ相愛サイトとして、今回は萌え
を通りこして感動しました。脱帽です先生!!

 そんなわけで、舞台は整い、役者はそろってしまいましたね。エドはリザ
のもとで、アルはノックス先生から、そしてスカーはマルコーさんから、そ
れぞれ過去の回想を語ってもらう態勢はOKです。次巻はいよいよイシュヴ
ァル編☆


 末筆ながら、この巻の美少女大賞をランファンに贈りますv
(でも、濃艶くびれ大賞はリザたんにv)