第102話
(考察コーナーへのワープは
こちらから)
無理矢理扉を開けさせられたロイが、真理を見た代償として失明……!!!!!!
アニメ第一期のように片目ならまだしも、両目の失明ときては……読後、しばし呆
然として立ち直れませんでした;;;
…矢も楯もたまらず、今月号も考察から入りたいと思います。
もはやそうでもしないと明日からの精神状態を保てない状況です。
ですからこの考察は管理人の自己蘇生措置、心臓マッサージです。
先月号のぎゅう降臨祭から、一気に奈落の底へと突き落とされたロイアイファン…
突如として視力を奪われ、よろめきつつ歩いて物につまづき倒れるロイを見た途端、
絶望のあまり顔を覆ってしまいました。ああ何という哀しさですか…!!(涙)
しかし、初読から時間が経つにつれて怒りがわいてきました。
どう考えてもこの展開は理不尽ではありませんか?
エドアル、イズミが自分の身体の一部を持って行かれたことについて「真理は残酷
だが正しい」という答えを出したのには100%納得できますが、今回のロイの件には
どう解釈しても同じ理屈が当てはまりません。人間が望むべきではないものを望ん
だわけではないですからね。
つまりこれは代償というより…「条件を合わせるための処置」ではありませんか?
人柱の条件として「どこか持って行かれた人でないとダメ」ということですよね。
何かを失って初めてその大切さに気付くと言いますが、真理的に言えば「絶望」を
味わった人間でなければ人柱の条件に合わない、というわけですね。
以下そのあたりを軸に、ふと気付けばマリアナ海溝へと沈みこんでゆくテンション
を必死に励ましながら行ってみたいと思います。
結論として「ロイは元通りになる」という所へ落とすわけですけどね。なぜなら、
ロイが今後2度とリザの顔を見られないなんて…ウェディングドレス姿の花嫁を見
られないなんて…そして可愛い可愛いロイアイベビーの顔を「君に似てるなv」と
言えないなんて……そんなこと……そんなこと〜〜〜〜〜……
そ ん な こ と が あ っ て は な ら な い の で す !!!
◆冒頭考察:最後の敵は真理か?
今回の件、まず閣下とプライドがロイに「賢者の石」を持たせなかったことが注目
されると思います。
これは明らかに「代償をわざと持たせなかった」行為、つまり彼らは初めからロイ
に身体の一部を失わせるつもりだったわけですよね。
そして閣下は「君はどこを持って行かれるかな」と言い、プライドは「目が見えな
い?それはいい」と言った。2人とも、ロイがどこを持って行かれるかまでは判断
できなかったが、どこかを必ず失うことは分かっていた。つまり、2人は真理のシ
ステム=「正しい絶望を与える規則」を知っていたのです。
このことから、人柱の選出基準が詳しく分かってきますよね。
今までは「真理を見て帰還できる術師」ということでしたが、もっと具体的に言え
ば「正しい絶望を与えられている者」、言い換えれば身体の一部を真理に預けてい
る者、でなければならないと…どうやらそういうことらしい。
そして真理が、その人間に対する「正しい絶望」というのをどうやって決めるかの、
その基準がまた凄まじいですね;;
試みに、ホーパパを除く人柱4人の「人体錬成によって求めたもの」と「代償」を
箇条書きにしてみましょう。(本誌P105をもとに)
エド:母の温もりを求めて、立ち上がるための足と唯一の家族(アル)を失った。
アル:母の温もりを求めて、温もりを感じるための身体を失った。
イズミ:亡き子を求めて、子を成すための部分を失った。
ロイ:国の未来を求めて、未来の国を見るための視力を失った。
もう、こうして見れば一目瞭然ですよね。
どうやら真理とは「求めたものを永遠に手に入らぬようにするため」に、代償とな
る部分を選んで奪っているんです;言い換えると「その時その人が最も必要とする
部分や能力」を選んでいるわけですね。
だからこそ、「正しい絶望」…。思わず身がすくむような、厳しい言い回しです;
そしてそれを与えるのは「人間が思い上がらぬように」だからだと言いますが…
しかしロイのケースは「思い上がり」に当たるのでしょうか?
国民の幸せな未来を望むことが思い上がり?
次はこの点を考えてみないといけませんよね。
ともかく今回、ロイは目的をもって自分で扉を開けてさえいないのですが(涙)
しかしもはや、そこは言及してもどうにもならない箇所なので目をつぶるとして。
ロイに何か「過ち」にあたる罪があるか否か…と考えれば、これはもうイシュ戦の
虐殺しか思い当たりませんよね。
しかし、イシュ戦での虐殺の報いとして今回視力を取り上げられたというなら、こ
れは問題のすり替えになります。正しく因果関係が結ばれていません。
それとも、「大量殺人犯が国の未来を望むこと」が「身の程知らず・思い上がり」
だとでも言うのでしょうか?
…と噛みつくつもりで考えてみたのですが、情けないことにそれは正しいかも知れ
ないという結論に達しました(苦笑)(ロイ、ごめんね)
確かに、国の幸せな未来を望む感情を「奪った命の代わりに未来の命を望むこと」
と考えれば、百歩譲って、それは広義での、長時間をかけた人体錬成と言えなくも
ないですよね。百歩譲れば。
でもエドアルやイズミの例と違って、それが思い上がりと言えるかどうかは厳しい。
「身の程知らずだったから扉を開けた」わけではないですから、「扉を開けた理由」
に対する正しい応報にはならないのです。視力のことは。
むしろ辻褄合わせというか;;いえ、ストーリーテラーとはそれが上手な人のこと
なんですが;;(いや、見事と言えなくもないです今月号)
でも、もしもイシュ戦の贖罪の総決算がこれだというなら…ロイが視力をもって罪
をつぐなうという筋書きなのであれば、我々はもうロイアイの光あふれる幸せを諦
めるほかありません。その場合、確かに生涯を共にする2人ではあっても、リザは
一生ロイの目の代わりということですよね(涙)
ただし、個人的には少年漫画にそんなじめじめした「未来」が用意されているとは
考えられませんので…!!!
ここは冷静に、23巻でアルが示した可能性「等価交換を超えた世界」についてを考
えて見たいと思います。(ここまで2009/12/12.3:00)
実は管理人、ひそかに今回のことは「大団円」への演出効果だと思えてきました。
今までは元通りになるのはアルだけだと思っていたのですが、今回のロイの一件で
ふと確信がわきました。この物語、「全員が失ったものを取り戻す」ところで終わ
るのだと思います。ホーパパもエドもイズミも、そしてロイも、です。
その演出のため、条件を合わせるためにも、人柱の全員が何かを失っていなければ
ならなかったのですね。
そう考えれば、「ロイが失うべき箇所」として迷うことなく視力を選んだ牛先生の
鋭敏な感性には舌を巻くほかありません。(圧巻ですよね。真理って牛先生が中に
入ってるんだと思う。着ぐるみ説。笑)
23巻でアルが賢者の石を手に入れて、ゾルフが「その石の力で身体を取り戻せばあ
なた方兄弟の旅はもう終わるではないか」と指摘したのに対し、アルが「等価交換
の法則にしばられず、元の身体を取り戻してかつ皆も救うんだ」と主張するシーン
は、そのまま物語の結末を予言するものだろうと確信しています。
16巻では姉上も「1から10を得ることだってできる。等価交換の法則などぶち破っ
てやればいい」と豪語してますし、さらには牛先生ご自身も、以前のインタビュー
で「物語は等価交換を超えた所へゆく」と仰っていたことですしね…!(もちろん
死者が帰って来ないのは等価交換以前の問題ですけど。当然ながら)
これらはすべて、人柱たちが「失ったままでは終わらない」という証拠です。
その結末のために、人柱たちが最後に撃ち倒すべきものは、ひょっとしたら「真理」
そのものなのではないでしょうか?
「正しい絶望を与える」真理とは、ほんとうに絶対的なものなのでしょうか。
最後にこの点を考えて結びとしたいと思います。
今月号で最大の疑問を感じたのは、真理のシステムを解説しているP105の黒目玉の
言葉です。
確かに「正しい絶望を与える」という表現には粛然とするし、ある意味で妥当だと
は納得できるけれど…でも何だか、絶対的な位置から人間をいたぶっている匂いが
するんですね。
何よりも、それなら人間は真理の許す範囲でしか発展できないし、進歩できないこ
とになってしまいます。本来人間の可能性は無限のはずなのに、この束縛感はいっ
たい何事なのでしょうか。この真理、ほんとうに正しいのでしょうか?
…実は、答えはNOという可能性が出て来たんですね。
パーフェクトガイド3のP22には、「アメストリスでは何者かが情報を操作し、錬金
術の発展を制御していた」という記述が見られます。
もちろんその犯人は「お父様」こと元フラスコ。それは200%確実なことです。
(※今回、どうやら元フラスコは黒目玉の中にいるらしいことが判りました。拙宅
のラスボス考察と食い違いますが、これはまた後日の考察で触れますね)
ここで疑問となるのはつまり、元フラスコが「等価交換を盾にして人々の到達でき
る真理を限定し、彼らの人間としての発展を制御してきた」という可能性ですね。
もちろん、エドたちの見ている真理はまがい物ではない…と思います。
真理空間への途中で脳内につめこまれる二重螺旋の情報も本物でしょう。扉とて偽
物ではないはず。
でも、本来ならば恐らくもっと「先」がある真理の情報をわざと限局し、その窓口
を「人体錬成」の試行時に限った、というあたりに大きな作為を感じるのです。
今月号の中で理路整然と「それこそが真理だ」と説く黒目玉の姿を見ていると、己
の目的のために「真理の向こう側」から来た立場を悪用しているとしか思えない。
要するにエセ宗教の教主みたいなニュアンスですね。
エドたち人柱組の使命はやはり、この束縛から抜け出して「真の真理」と言います
か、もっと広大に無限に広がっているはずの情報に出会うこと、なのでしょうね。
6巻で真理に会ったエドが言っていた「もう少し先にまだ真理がある」という言葉、
恐らくあの先にはまだもっともっと、もっと先まで真理は続いているんです。
宇宙の摂理が「正しい絶望」で終わっているはずがありません。
だいたいそんな漫画を描く人の心が知れません(笑)(←もちろん逆説ですよ!牛
先生が「希望」を描かないはずがないじゃありませんか!)
そしてそれを可能にしてくれるのが、「質」として真理に押さえられている「身体
の一部」なのでしょう。きっとそれは最終的な勝利への担保なんですよ。
個人的にはそれを確信しています。
従って、最後の敵は真理…!!
大丈夫です。ロイの目は必ず元通りになりますv
第一、こ〜んなことくらいで5年間信じ続けたロイアイの幸せを奪い取られてたま
るものですか!!!!!(ははははv)
というわけで、最も言いたい所を吐き出せてすっきりしました。
順次いつも通りの詳細感想へと移りたいと思います。ネジを巻き直しますよ☆
(ここまで2009/12/12.14:11)
1:先月号の発動シーン種明かし
第102話の副題は『扉の前』。
まずは表紙の閣下が…!!ああ射貫かれるような目…震えが来るほど素敵…(悶)
でも気になるのは「男たちの挽歌」という煽りコピーです。挽歌とは葬送の調べで
すが、その「男たち」の中にはやはり、閣下自身も含まれるのでしょうか。
おおおん…(涙)(泣きながらも表紙を解体。永久保存。)
さて、冒頭はやはり先月号の謎めいた引きの種明かしからでした。
プライド曰く「この手はあまり使いたくなかったが仕方がない、時間がない」…と。
そうなんですか!ということは、これは一応事前に打ち合わせがあって、ロイが人
体錬成を断った場合の処置として段取りを考えてあったわけですね。
そして発動のからくりについては閣下が説明してくれましたが…
「強制的に扉を開けさせてもらうよ」
「君にその気がなくてもかまわん。その知識を持った錬金術師がプライドと同化済
みだ。人体錬成の構築式は彼が持っている」
…ええええ金歯の能力を使うか!?
管理人の予想は大ハズレでしたね(苦笑)あの場ですぐに金歯の能力を取り込んで、
発動させたのはプライド本人でしたか。
「退いていなさいラース」と、ぞるぞるでロイを錬成陣に固定してから言うプライ
ド=セリムにちょっと萌え。見た目と逆転した年下扱いにぞくりとしますね〜。
ああでも咳き込んで少し血を吐く閣下がほんとうに心配ですよ(涙)
うわーんできるものなら今すぐお手当に飛んでゆきたいものを…!
でも、あれ?「君はどこを持ってゆかれるかな?」って、そういえば閣下、賢者の
石をロイに渡してませんよね;この時点で気付くべきだったなぁ…;
「うおおおおああああ」というロイの叫びが凄まじい;
「大佐!!」と身を乗り出すリザとゴリさんを「だめでス!!」と押し止めるメイ。
ついに発動した人体錬成陣…ロイと同時にセリムも分解されていってますが…
これはちょっと疑問が残ります。結局は金歯本人が発動したのも同然ですからね。
と言いますか、もしプライドの中に元フラスコが居れば人体錬成の知識はあったは
ずだから、この場合「居なかった」ということですか;だから金歯の能力を使った
わけですよね。
あーあ、またラスボス考察を考え直さねばなりません;
まぶしい錬成光がおさまると、そこにはさっきまで金歯の死体だった「物体」が…
ひぃぃ…吐き気さえします;なんて気持ち悪いモノができたんだ;
もはや自然界の法則から完全に見放された肉塊でしかありません。やはりここでの
人体錬成は生命への冒涜でしたね。
まぁ金歯には似合いの最期かな…要するに自分の持つ人体錬成の構築式で自分自身
を人体錬成した結果がこれ、というからくりですから。(超シニックだ…;)
フーさんを救いたいがために人体錬成を願ったリンの気持ちは痛いほど理解できま
すが、もし実行していたとしたら、その答えは残念ながらこういうことになったは
ずですよね。
それともこの異形の遺骸を、これから駆けつけてくるグリードとともにリンも目の
当たりにするのでしょうか?
金歯のなれの果てに絶句するリザたちに、閣下が声をかける。
「安心したまえ、今ごろマスタング大佐は父上の所だ。五体満足かどうかは保証せ
んがね」
…閣下、それじゃ安心できません(涙)いや突っこみを入れている場合じゃない;
「さて…私はごらんの通りの有様だ。討ち取って名を上げるのは誰だ?」
って、ああ閣下…ここまで来てもまだ、残った彼らを排除しようとするのですか!
個人的には(閣下を愛する者としては)今月号、とてもとてもショックでした。
考察を見て下さっている方々には察して頂けると思いますが、ロイを人柱として何
とかあちらに送り込んだ後は、閣下は日蝕後の国のことを考えてくれるものと信じ
ていたからです。(現職大総統としての最後の仕事として)
確かに今まで彼が奪った人命のことを考えれば、最後まで生き残れるキャラクター
だとは思えない部分もあるのですが、でもそれでももう少し、先月号の笑顔に加え
てあと少しくらいは、次世代に対する閣下の思いやりの描写を描いてもらえるもの
と信じていたのですが…!(涙)
やはりあの執務室でのロイとの会話どおり、心はどんなに人間のままであっても、
「ホムンクルスとしての矜持」を抱いて散る覚悟なのでしょうか。悲しい;
いいえ、まだ!まだ私は諦めませんけれど…!(ここまで2009/12/13.15:12)
しかし閣下のこの気迫……壮絶としか言いようがない;
ゴリさん同様、これだけの傷を負って満身創痍の彼になお、完全に気圧されてしま
いますね;これが王の王たる矜持なのか?
リザたんを「マスタングの犬」と言い捨てたことに少なからず感情が動きました。
ほんの1日2日前まで補佐官だった彼女を…。やはり閣下は、ロイと引き離したと
ころでリザの心がロイから離れるはずもないことなど100も承知だったんですねv
うまく言えないのですが、この2人の暗黙の了承がとても好きです。(まぁ健全ブ
ラアイと言ってもいいですけど笑)
なぜって東の演習に向かう前に、すでに閣下には「約束の日」のその時が来たらこ
うして彼女と敵対することは分かっていたんですから。そしてリザもまた、その次
の日には彼の奥さんを誘拐(もちろん保護ですが)する手はずであることを黙しつ
つ、閣下を見送ったのですよね。
甘さは皆無。けれど「妻だけは」と閣下が打ち明けたのはリザだけ。萌えます…。
奥さんが無事であることはどうやって閣下の耳に入るのでしょうか。リザから伝え
る雰囲気ではすでにないし、私としては、もう今にも彼女がこの場に駆けつけてく
るのではと居ても立ってもいられない心持ちなんですけど…!!
(と言うか早く来て…奥様!!)
一方、ジェルソは先月号でのメイ子の言葉を反芻していました。
「メイが「この真下にいる」って言ったとたんメガネのじじいがうろたえだした」
「どうやらこの下には行ってほしくないみたいだぜ」
それを聞いたスカーは、「真下」へと穴を開けるべく床を破壊する……!!
(ってあれ?メイは先月そのセリフをスカーに向けて言っていたと思うんですが。
他にもゴリさんとロイが初対面ではない件といい、25巻には微妙な修正が入りそう
ですね。牛先生はきっとお疲れなのです(涙)どうかがんばって…!)
2:ロイ、ついに真理と会う
さて、そしてついに来た………………!!!!!!ロイの扉…………!!!!
ついにこの扉の前に来てしまいましたか……ロイ;
おお、扉の模様はリザの背中のアレと酷似していますね。
そして狼狽するロイが自分の真理君に気付いた時……来た来た、ズズズの触手!!
時間的には恐らく、この「ズズズズ…」が先月号の最後のコマの「ズズズズ…」に
重なっているのだと思います。外では犬が吠えまくり、太陽が欠け始めている頃で
すね。「本番」までの残り時間はあと1時間余りか…
しかしこの邂逅、ロイ・真理君ともにセリフ一つ無く、当然ながら過去回想なども
まったく存在しませんでした。もうロイの出自どころではない事態になってしまっ
たので、今後は言及する気も起きないでしょうが;
場面は変わってこちらはエドアルイズミがいる黒目玉の部屋。
突如として宙に現れた錬成陣は、ロイが出てくる「出口」ですね。このからくりに
ついてはきっと理詰めの説明などされないまま終わるんだろうな(苦笑)
バキバキバキ…という再構築の音とともに、ロイが出現。
ドシャーっと床に叩きつけられる音で、エドとイズミが気付く。「大佐!?」
そしてもう1人、セリム=プライドも再構築されて降り立ちましたね。人体錬成陣
を発動させた本人だから、一緒にここに来たんですね。
「5人目です父上」
「うむ。5人揃った…と言いたいところだがアルフォンス・エルリックがこちらに
来ていない」
…と黒目玉。
おや?これは「アルが真理空間から戻っていない」という意味ですよね?それなら
描かれていなかったけど、エドとイズミも一旦は彼らの真理空間へと行きはしたと
いうことですよね。やっぱりそうだったのか…。
やはり今後、もう一度人柱全員がそれぞれの真理君と会う機会があると思います。
アルは当然ですが、主人公であるエドも必ず、もう一度真理君と言葉を交わすはず
ですから。そしてその時こそ、運命の分かれ道というわけですね。
(ここまで2009/12/14.1:12)
ああしかし……
ここまで書いてきて申し訳ないのですが、ロイが自分の失明を知るシーンは;
ごめんなさい、ちょっと詳細にはやはり書けません(涙)可哀相すぎます。
現実逃避の部分もありますが、何と言いますか…まだ吐き気がしてくるんです。
自分の大怪我を自分で冷静にモニターすることができないように…。
ですから申し訳ありませんが、この2ページはパスしますね。(考察というのは治
療計画に近いのでいくらでも可能なんですが、感想はちょっと…;)
けれどこれだけは言える。ふらふらと歩いて、つまづいてよろめいて床に這いつく
ばるロイなど、できることなら決して見たくはなかった…!!
これにはこの作品を読む大方の女性が同意して下さることでしょう(苦笑)
しかしですよ。だからこそ…
これだけ万人が認める「悲惨」だからこそ、このまま終わらないとも言えるんです。
ここまで巻末4コマなどでさんざんロイをいじってロイで遊んできた牛先生なのに、
このまま悲惨なままで物語を終えたら、今までの全てのギャグが白けてしまうと思
いますしね。ファン心理的に言っても、ロイが失明したまま終わった場合、もはや
20数巻分を読み返す元気などなくなることは確実ですし…。
さらにロイアイ視点で見た場合、ここまでずっと2人の仲をほのめかし、時にはつ
れなく、時にはいちゃこらと、壮絶な運命の恋を描きつつ、そしてやっと2人が抱
き合うシーンまでこぎ着けながら、最後にそれをぺしゃんこにつぶすストーリーテ
ラーもいないと思いますし。
それならやはり、希代のストーリーテラーなればこそ、大団円の前に超人気キャラ
を窮地に陥れると…考えられませんか?(笑)
冒頭の考察で書いたことは繰り返しませんが、ともかく私は最後まで牛先生を信じ
ております。
真理の残酷さではなく、牛先生の人間性の方が、信じるに足ると思いますから!!
…とはいえ、この2ページの感想はパスいたしますね。
本当に痛々しいから(涙)このかわいいロイ坊が(号泣)
(ここまで2009/12/14.2:55)
しかし……「目が見えないのですか?」……大きなフォントだこと;
人が恐ろしくて口に出せないことをズバっと言ってくれるガキですねー;
しかも笑顔で、「それはいい。貴方の能力が一番やっかいですから」……。
やっぱり化け物ですね、この子。
あらら、よく見ると容れ物にほころびが?くっきりと錬成痕が見えていますが…。
パーフェクトガイド3には「容れ物は堅牢な構築物」とありましたが、本当に血肉
ではできていないんですね。体温くらいはあるのでしょうかこの子(苦笑)
こんなに愛くるしい顔をしているのに勿体ない!
そして上でも述べましたが、元フラスコがこのセリムの中には入っていないらしい
と判明した今月号、では一体この中に守られている物とは何なのか…
ラストまで数話となった現在でも、まだまだ謎は山積み状態ですね;
それにしても意外でした。「大事な人柱」と言うからには、5体満足かそれに近い
状態で5人が集まることが理想なのだろうと思っていたのですが…
「身体の一部を真理空間に預けていること」が条件らしいとはいえ、視力がなくて
は彼らの要求どおりに動くこともままならないと思うのに、「それはいい」「そこ
で打ちひしがれていなさい」などと言葉をかけるとは…。
もうこれではっきりしたことですが、どうやら人柱たちは「何かをさせられる」わ
けではないですね。彼らの錬金術の能力は、ここではもはや発揮してみせる必要も
ないのかも知れません。
それでは、彼ら5人は一体どう使われるのでしょう?
やはりプライドに取り込まれ、その能力だけを使われるのか?
これは丸ごと考察コーナーへと回しますね。
次の黒目玉のセリフは、今月の最重要セリフとなりますので抜き書きましょう。
曰く(ロイへ向けて)、
「真理は残酷だ。身の程をわきまえず亡き家族を蘇らせ母の温もりを求めた者は…
立ち上がるための足とただ一人の家族を持って行かれ、もう一人は温もりすら感じ
られぬ姿に」
「亡くした子を求めれば二度と子を与えられぬ身体に…そして…国の先を見据えた
者は視力を持って行かれ、その未来を見ることがかなわなくなった」
「人間が思い上がらぬよう正しい絶望を与える、それこそがおまえ達人間が神とも
呼ぶ存在……「真理」だ」
…以上ですが。
いくら元フラスコが「真理の扉の向こう側」から来た存在とはいえ、神そのもの、
真理そのものではありません。
冒頭考察で書いた通り、このしたり顔(いや目だけですがね)から受ける印象は、
やはり個人的には「真理を悪用している雰囲気」と言える気がします。
これだけは断言しますが、宇宙の摂理である真理が「絶望」で終わっているはずが
ありません!真理には必ず、もっともっと奥が…続きがあるのです。
ちょっと偏った比喩ですが、例えば「ドラえもん」を6巻までしか読ませず、した
り顔で「分かったか、ドラえもんは未来へ帰ってしまうんだ!」と教えているよう
な状況、と言えばよいでしょうか?(すみません笑)
いえ、それは嘘ではありませんよ。確かにドラえもんは一度、未来へと帰ります。
けれど、ご存知のようにドラえもんは7巻で再びのび太のもとへと帰って来て、物
語はその後もずっと続いてゆくわけです。でも、6巻までしか読ませてもらえない
人にとっては「ドラえもん」とはそこまでの物語でしかありません。
これと同じことがエドたち人柱にも起こっている気がするのです。
確かに真理とは「正しい絶望」を与える存在なのでしょう。ただ、そこで終わって
はいないということです。
必ずや……そう、必ずや、エドたちは真理のさらに奥底まで辿り着くはず…!!
3:閣下VSスカー??
一方、スカーの開けた床の穴はかなりの大きさでした。
その穴からキメラたち、そしてリザたんもゴリさんに抱かれて下の層へと降りて行
ってますね。うわ……全員が黒目玉のところへ合流してしまうのかしら?
できれば今のロイをリザたんには見せたくないのですけど(涙)(衝撃だから)
閣下はここまで来ても「父上の邪魔をする気か」とつぶやいています。拙宅のラス
ボス予想も風前のともしびといった体でしょうかね;閣下……
いや、閣下もセリムも、このまま終わるとはやはり考えられません!!
そこへスカーの一撃が…身をかわす閣下、そして激しい接近戦となる二人。
久々に凄まじい活劇ですね。閣下の身のこなし、本当に還暦の人とは思えない…v
でも待って下さい;;ちょっと待って;;
「そうか…私の最期の相手は〃破壊する者〃か」って、そんな……最「期」???
お 願 い で す 閣 下 !! 死 を 覚 悟 し な い で (号泣)
ええ分かっています…分かっていますよ…この流れに少しも不自然な部分などない
ことくらい分かっています。彼の覚悟も理解できます。でも!
我々はまだ彼の本当の心が見えないままなんです!どうかこのまま潔く、「男に言
い訳は不要」という散り方だけは勘弁して下さい…(祈)
ああもう(涙)今月号ほど、一寸先も見えない展開の恐ろしさをまざまざと知らさ
れた回もありません。私たちみんな、牛先生の手のひらの上で迷路を歩かされてい
るようなものですね(苦笑)
さて、しかし個人的に今回の白眉だと思ったのもこのシーンでした。
自分の残りの体力を見極め、スカーを「最期の相手」だと確信した閣下が、なんと
その名を問うとは…!
「貴様、本当の名はなんと言う?」
ここでスカーが一瞬迷うんですよね!視線を逸らし、言おうか、どう答えるか…と。
そして、
「……名は無い。捨てた」
うおぉぉ……武士の会話だ……なんて格好いいんだろう…!!(悶えます本気で)
互いに死を賭けた二人の、漢同士のやりとりだと思います。圧巻、ただそれだけ。
思わず脳内でFAのCV変換したら、美声同士、手練れの役者同士のやりとりに想像し
ただけで溜息が出ました。か、かっこいいわ…
閣下の受け答えも泣かせますよね(涙)
「奇遇だな。私も己の本当の名を知らん」…どうなのかしら。真実なのかしら…
そして大ゴマで「名無し同士殺し合うのも面白かろう」……っっ…!(悶絶;)
剣をかまえる閣下に心臓をわしづかみにされました;この表情、見て下さいよ!
(それ以前にとにかく今月は表紙からすでに魂を持って行かれてましたが!)
これは……もしも姉上やグリリンがこの場にやって来たとしても、もはや割り込め
ない空気を感じますね;真剣、というのはこういうことかと…
因縁から言っても、殲滅戦の責任者とイシュヴァールの代表。互いに1対1、矛盾
のない闘いですしね。
このまま勝敗の決着が着いて終わりだとは思えませんが、たとえどういう結果にな
ろうとも、最後の一瞬まで閣下の生き様を目に焼き付けておこうと思いました。
でも……でも……奥様どうかお早く……(祈ります;全霊こめて)
(ここまで2009/12/14.14:20)
4:アル、ついに肉体と対面!!
さて、ここで黒目玉ルームに闖入者です。上から降ってきたのはおお、メイ子!!
鍵を握る錬丹術師だからということもありますが、先月号からもう大活躍ですねv
腕っぷしも度胸も満点だv
しかし、これは先ほどのスカーによる穴から降りてきたのかな?それとも、この部
屋はどうも「異空間」くさいのですが…(あの天上にある大きな目玉といい)
あ、でも上から瓦礫が降ってますからスカーの破壊した穴ですね。
「いタ!外見は変わってますがその気配…不老不死の親玉さんですネ?」
そうか、メイは「ホーエンハイム型お父様」と以前会っていたのでした。
黒目玉は「私の家に穴を開けるとは…あの娘…」と憤ってますが……天上を見ると、
やはりこれは空間にも穴が開いた……ようにも見えますね。
ここでメイが倒れたままのアルに気付き、場面はついに扉の向こうのアルへ!!
(このコマ、端っこでイズミに気遣われているロイが哀しい;)
さぁ、真っ白な空間で、扉の前の痩せた少年と、ついについに向き合った鎧アル。
鎧の目が、まるで大きく見開かれているように描かれていますね。
「身体……ボクの、身体だ…」
震えながら歩み寄って、痩せこけた小さな身体の前でひざを着くアル。
震えながら差し出された鎧の手を握ろうと、爪の伸びきった「彼」の手が…
「ずっと待ってた」「おかえり」
微笑む、痩せこけた頬…。うわぁ…この両アルの手の大きさの違いが泣けます;
でも、感激するかと思いきや、アルの目の輝きは失せてしまっていますね。
そして突然、乱暴に「彼」の細い手首をつかんだ…!?
「……なんだよこの細い腕……骨と皮ばかりで…立ってるのがやっとじゃないか…
こんな…
こんな身体で今、闘えるわけない!!!」
鎧アル、悔しさのあまり床をぶっ叩いています;うわ〜ん悲しい;
「肉体と一つになるのが嫌なの?」
「
そんなわけないだろ!!ずっと!ずっとずっとずっと元の身体に戻る事を
考えてきた!!!それなのに!!」
…辛いね〜〜アル(涙)せっかくここまで来たのに、今は自分の身体のことよりも
皆を救うことを優先したいと言うのね。うぅっ…なんて立派な子なんだ!
あれ…?いま何かデジャヴを感じたんですが…なんでしょう。
ふと、22巻のあの土ドームの中にいる時にセリムがアルに言った言葉を思い出しま
した。我が身のかわいさよりもこの国を救う方を選ぶ、人間の揺るぎない心。その
心のより強い者を人柱として選出したのだ、とセリムは言いましたが…。
今月のアルの行動は何かの鍵となるでしょうか?これはまた考察で触れますね。
痩せこけた身体で「あっちに戻りたい?」と尋ねる肉体アルが、もうなんだか寄る
辺のない頼りなさです;悲しい;今すぐ何とかこの子をここから救い出してあげた
いのに、それでも鎧アルはどうしても闘うために戻りたい。せめぎ合う感情が伝わ
ってきますね;
「行くなら止めない」
…うわぁ来ました来ました。連れ戻し役の真理の触手!鎧アルは扉の向こうへ!
「ごめん!!また来るから!!もう少しがんばってて!!」
肉体アルの、弱々しいけど納得しているような笑みが心に痛いです。
でもきっと、鎧アルのこの決意みなぎるまっしぐらな様子を見ていれば、同じ自分
としてやはり嬉しいのでしょうかね。
「気高いボクの魂よ、君の容れ物として誇りに思う」って、ここまで他人行儀なの
も面白いというか、おかしいけど(苦笑)
しかし、最後のこの意味深な独白は一体…?
「けど…君が戻ることでこの世が絶望に満ちてしまうかもしれないんだよ」
うーん肉体アル、まるで人柱の役目を熟知しているかのような口ぶりですが。
「絶望が世界に満ちる」というのは、単に「皆がラスボスの犠牲になる」ことの比
喩とも取れますが、個人的にはもっと 具体的な意味に思えます。勘ですけど。
ここで言う「絶望」が、P105で言っているところの「絶望」と同じだとすると?
もしやこの国家錬成陣…
今回のロイのケースを個人規模とすれば、本番ではこれが国家規模で起こるという
ことなのでしょうか。すなわち黒目玉が自身を人体錬成するとき、錬成陣の上にい
る国民全員もそれぞれの真理と遭遇する??そして全員が「正しい絶望」を与えら
れる…??
ダメですね、これでは支離滅裂(苦笑)これも丸ごと考察へと回します。
一方、場面は再び黒目玉ルーム。
エドのかたわらのアルの鎧が突然振動を始めたかと思うと、目に光がボッと点いて
こちらのアルが息を吹き返しました。
「良かった戻れた!」
あー…帰って来ちゃいましたね。でも大丈夫!また絶対にあちらへゆけるから!
さて、これを喜んだのは他でもない黒目玉ですが。
「 5 人 揃 っ た ! ! ! 」
…ここで大波乱の102話、引きでございます。が、いやはや;
もう完全に先が読めなくなってきました。冒頭の考察で書いたことにはもちろんそ
れなりの確信がありますが、しかし……牛先生の狙っている落としどころを推測す
るのは至難の業ですね;
さらに、ここまで来てもなお回収されるはずなのにされていない伏線が山積み、と
いうのが凄まじいと思います。普通はラストに近づけば近づくほど回収のポイント
は限られてくるので、展開を予測しやすくなるはずなのに…!(笑)
そして自分でちょっと嫌なのは、「ロイは元通りになる!」と信じている私でも、
心のどこかで「盲目のロイと彼に寄り添うリザ」の図を受け入れる準備を進めてし
まっていることですね;ああ、こんなんではダメ;(ポカポカ)
←頭叩いてます
何より、最後までお預けとなった「リザ」呼びでは、二人がまっすぐに見つめ合っ
ていなければ萌えが半減するではありませんか…!!
(見えぬ目のままロイが「リザ」と呼んでいたら私、涙の海に溺れると思います;)
さて、努めて努めて前向きに、引き続き考察コーナーへと参ります☆
(2009/12/15.1:10)
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以下、考察覚え書き。(順次加筆してゆきます)
◆冒頭考察補完
まず補完からゆきますね。
「人柱全員が失われた身体の一部を取り戻すはず」と書いたことについてですが、
より正確に言えば、アル以外の3人が最後に元通りになる可能性は、アルよりも少
し低くなるのではと思っています。
先の記述と矛盾するようですが、これはこういうことです。
もちろん状況的には「元通りになれる環境が整う」と信じているのですが、3人が
「元通りになるのを辞退する可能性がある」…というわけなんですね。
私は今月号を読むまでは、エドは最終的にそのままの身体でいることを選ぶと推測
していました。「戒めとしてオレはこのままでいい」という理由で、です。
同じように他の2人、イズミとロイについてもその可能性は否めません。
特にイズミは「真理は残酷だが正しい」と自分の身体についてすでに納得していま
すし、ホーパパは以前イズミを治療?した時に「身体はあなたの罪の証だから戻せ
ないけど」という言い方で、「元通りも可能だけどやめておこう」というニュアン
スを暗に示しました。
同様に、ロイがもしも元通りになれる状況に置かれたとしても、彼自身が「この見
えない目でも私には分相応だ(イシュ戦の報いとして)。このままでいい」などと
思ってしまうのなら、ファンとしては断腸の思いですが、その選択を受け入れるほ
かないわけですよ(涙)
彼らがどちらを選ぶのか…それは牛先生のみぞ知る、というところ。
まさに人間ならではの選択肢と言いますか、人間の「やっかいな部分」ですね;
(ただしエド・イズミのケースと違って、自分の意思で人体錬成していないロイの
場合は冒頭で述べたように(イシュ戦と視力の)直接の因果関係がありませんから、
元通りを選ぶ可能性はかなり高いと思いますが…!だってロイはロイの真理君と言
葉さえ交わしてませんからね。なぜ視力が取られたのか、納得どころか分かっても
いないはずでしょう)
しかし、明るい材料となるのは、彼ら3人を愛してくれている人々の存在です。
イズミには最愛の夫が、エドには実の父親と仲間が、ロイには未来の妻と仲間たち
が(きっと駆けつけると思います。シグさんもマスタン組も)、それぞれに彼らを
心から案じて、その幸せを願っていますよね。
そんな中で、「元に戻って良い」のにほんとうにわざわざ不幸な方を選ぶのか…?
という疑問もある。それでは「救い」にならないとも言えますし。
もちろん、選択している間もなく有無を言わさず元に戻ってしまう可能性も高いん
ですが、それでもやはり、彼ら全員がもう一度「真理君」と向き合うことにはなる
と予測いたします。それは確信があります。
どうかこの際、潔さなど捨てて3人とも元通りになってくれたら良いのですが!!
◆この国の錬金術はおかしい
スカーの兄者が気付いた「この国の錬金術はおかしい」というのが、具体的にどう
おかしいのか?については今まできちんと説明できなかったのですが。
でも今月号を読みますと、どうやら錬丹術との比較をした場合にその差が明らかに
なる過程がちょっと理解できたように思いました。
メイの説明によれば、錬丹術はとにもかくにも「龍脈」なんですよね。その「気の
流れ」を正確に読んで利用することがすべてで、人体においてもその「流れ」の途
絶えている所には術の力が及ばないし、無い腕を生やす等も無理。
こういう仕組みで働く力なら、術師はそもそも「人体錬成をしよう」と思い立つこ
とさえないはずですよね。なぜなら死者の身体にはもはや「気の流れ」は存在しな
いからです。「気」が途絶えた時点で、錬丹術師はその人の死を受け入れるはずな
んですよ。言い換えればその「気の流れ」こそが「生命の証」なんですね。
では、ひるがえってアメ国の錬金術は?
まず「人体錬成理論」なるものが存在している時点でおかしいですよね。イズミも
エドも、一時はその理論を完璧に組み立てるべく心血を注ぎました。なぜならそれ
が「無理だ」「必ず失敗する」という確証がなかったから…書物などでもそれが明
言されていなかったからでしょう。
そもそも「人体錬成は禁忌」という言い方は、「やっちゃダメだけど可能」という
含みを残していますものね。なぜ初めから「人体錬成は不可能」と教えないのか?
それは「死者を等価交換で蘇らせることができる」という誤解を、誤解されるのを
狙って錬金術師たちに教える必要があったから、でしょう。
「誰かが禁忌を犯して人体錬成を試みてくれるように」、です。
そこがおかしいのです。理論上、余地が残されているところが「おかしい」。
恐らくスカーの兄者が気付いたのはこのあたりなのでしょうね。
そして、「なぜ初めから不可能と教えなかったのか」の答えはやはり、「腕の良い
錬金術師が禁忌を犯し、真理空間との道筋をつけてくれるように」と期待したから
でしょう。誰がそれを期待したのか?もちろん元フラスコです。
ここでもやはり人間の探求心と知識欲を過度に刺激し、死者に対する人間の愛情ま
でもを利用したのですね。
つまりアメ国の錬金術とは、最初からフラスコの蒔いた「エサ」だったわけです。
「エサ」であり「ワナ」だった。発動エネルギーは自分ですしね。
黒目玉はしゃあしゃあと「人間が思い上がらぬよう正しい絶望を与えるのが真理」
と言っていますが、初めから錬金術がなければ、人間は誰も人体錬成など試みはし
なかったはず。
従って禁忌を望んだのは人間ではなくフラスコなのですから、いくらエドやイズミ
が納得していても、やはり「身体の一部を持って行かれ、絶望を与えられた」責任
はフラスコにあるはずでしょう。本来なら「人間が真理くんと会う」ことなど不可
能なわけですし、そこへの道筋を用意した時点でフラスコの作為は悪だと思うんで
すよね。
ピストルに殺傷能力があることを知りながらサルにそれを渡し、偶然に発砲されて
仲間のサルが死んでも「自分が撃ったわけじゃない」と言い逃れる……そんな汚さ
を感じます。(人間とサルは同じじゃないけど、それでも。)
このあたりを考えても、やはり最終的に人柱の「持って行かれた部分」は戻ってく
るような気がします。だからといって人体錬成が「罪ではなかった」ことにはなり
ませんが、取り戻すまでの間に絶望を与えられたことと、人間世界からその諸悪の
根源を退治する役目を負わされたことで、彼らは十分に許されるべき贖罪をほどこ
したことになると思いますから。
つまり人柱たちの任務は「人間界と真理の世界とを再び遮断すること」。
それは錬金術の根絶と言い換えても良いでしょうね。
問題は「なぜフラスコは真理を知る人間が必要だったのか」ですが…。
もはや今月号を見る限りでは、黒目玉は5人の人柱を「錬金術師として」必要とし
ているのではないように見受けられます。従って、ロイが手パン錬成をするシーン
は見られない可能性も出て来たような…;(惜しいですが;)
では、敵は人柱の何を利用したいのか。ポイントはそこですね。
(3つあとの項目、「黒目玉は人柱の何を利用したいのか」へ続く)
◆ホーパパは何をしてる?(ホーパパ考察)
黒目玉の中のホーパパですが、おとなしく寝ているわけもない…ですよね(笑)
ああいう敵だからこそ「中から攻めること」もできると思うので、恐らく自分の時
と同じように「中の魂たち」との対話を試みるとか、何か手段を講じているのでは
ないかと思います。それとも、「お父様」が感情ごとに切り離してしまった時点で
すでに対話が不可能になり、中の魂たちも朽ち果ててしまっているのでしょうか?
しかし以前のパパのセリフの中に「あいつの中の魂たちも解放してやれる」という
のもありましたから、まだ何かできることはありそうですよね。
興味深いというか分からないのは、パパの真理くんは存在するのかしないのか、パ
パは特に肉体の一部を「持って行かれて」いるわけではないので、真理を見たがゆ
えの絶望とは縁がないのか…というあたり。(別の絶望は十分味わってましたけど
ね〜;)
また、今月号のアルと肉体アルとの会話の中に「代償」についての言及がこれっぽ
っちも無かったことが興味深かったです。これまでは、父親であるホーパパが「息
子にしてやれる唯一のこと」という意味で、自分の体内の石を代償としてアルの体
を元通りにしてやる…という筋書きを予想していたのですが、どうやらこれは違う
という気がしてきました。以下にその理由を箇条書きしてみますと…
1:まず「錬丹術に解決方法を求めて」という考えと微妙に食い違う。
2:そして息子(エド)が「自分の罪のために他人の魂は使えない」と石の使用を
断ったのを喜んだパパの言動とも食い違う。お父様の中の魂を解放してやりたがっ
ていたパパの言動とも食い違う。
3:今の状況でパパが他の人柱3人をおいてアルだけを元に戻すことに違和感があ
る。(もう1人の息子さえさしおいて)もしも他の3人が3人とも元通りを「辞退」
するというのならあり得るかも知れないが…しかしストーリー的に無理があります。
日蝕後にもう一度「取り戻す」というイベントがあるのではなく、すべては日蝕時
に一緒に済んでしまうと思う。
4:親子だから混線しているとはいえ、他人の「扉」の中に入って代償の石を取り
出して他人の真理くんに渡し…という展開はおかしい。かといってアルに石を手渡
して「これで取り戻せ」というのも何だか変。
5:そもそも「代償」は本当に必要なのか(これが最大の疑問)。持って行かれた
身体の代わりに人柱が得たものは膨大な知識情報、「真理の一部」ですよね。なら、
それを返せば身体の一部も返ってくるのでは。「真理くん」が石を要求している描
写は皆無ですし、もし「代償」として石を用意した場合、その石のエネルギーは誰
が得て、どこで使うのか。
ざっとこんなところですか。
恐らく最も大事なのは、「身体を取り戻すために代償は必要ないのでは?」という
あたりですね。錬丹術の示す「龍脈」が鍵なのだとすれば、身体と魂をつなぐ「精
神」にこそまぎれもなく「龍脈」が通っているはず。だから、人柱たちが錬丹術に
よって身体を取り戻す行為は「無い腕をいきなり生やしたり」といった行為にはあ
たらないのではないか…という仮説が成り立ちます。
何より、これなら等価交換の法則を逸脱せずに等価交換を超えられるんですよね。
言わば「理詰めで願いがかなう」ような、荒唐無稽ではないファンタジーになる、
と言うべきでしょうか。
これが現段階で私が思いつく限りのファイナルアンサー…ですね(笑)
やはり物語的には、賢者の石の出番はもうすでに終わっている気がします。あとは
中の魂たちがいかにして成仏というか、解放されてゆくか…という方向なのではな
いでしょうか。
◆ここで今月号のアル考察
身体と魂をつなぐ「精神」に通る龍脈を使って人柱が身体を取り戻すのではないか、
という過程をもう少し具体的に考えてみます。
これにはアルの例がうってつけでしょうね。
アルの肉体、通称ガリガリアルですが、これがアルの真理くんであることはご承知
の通りです。そしてアル真理くんはもちろんアルの全身を受け取ってますから、エ
ドやらロイやらの真理くんよりも真理くんとして「完全に近い」存在なんですが…
やはり「完全に近い真理くん」とは、このように「君の容れ物として誇りに思う」
などとのたまったり、魂そのものよりも神に近い…のでしょうかね。
「絶望が満ちてしまうかも」というセリフから推しても、どうもこの真理くんが人
柱計画の全貌を理解していることは確かなようです。
(上の感想部分ではこの「絶望が満ちる」という表現を「比喩ではなく具体的な意
味に思える」と書いたんですが、その後アイデアが浮かばなかったのでやはり比喩
として考えておきます;;ただ、「満ちる」と断言せず「満ちてしまうかも」と言
っているのが面白いですね。救われる可能性を否定していないんです)
さて、今月号のアルを見ていましたら、C・G・ユングが言うところの「個性化」
についてを触発されてなりませんでした。
「個性化」についての詳しい説明はすみませんがググって頂くとして、ごく簡単に
言えば、「自我」や「ペルソナ」「影」といった、人間の魂(無意識)の中に潜む
多くの自分の姿を、完全なる「自己」へと統合してゆく過程です。(自己実現とも
言えるけど、その場合の自己実現とは「やりたいことをやる」という意味とは少し
違うんです。)
(考察のヒントを下さった星海空さん、ありがとうございましたv)
この「個性化」がなぜ思い出されたかといいますと。
今までは私、人柱たちが身体の一部を取り戻す過程を「真理くんから奪い返す」作
業だと思っていたんです。「奪う」と言うと乱暴ですが、要は代償を払って取り返
すものだとばかり考えていたんですね。
でも今月号を読んだ後では、そうではなくてこれは「真理くんとの一体化」つまり
「合体」とか「再統合」といった話なのでは?と思えてきたのです。
再びドラえもんの例で恐縮なんですけど…(笑)ドラえもんの道具で「影切りバサ
ミ」というのがありまして。文字通り自分の影を切れるハサミでして、切った影は
何でも本人の言う事をきいてくれるんです。でも、時間がたつと影と本人が入れ替
わってきてしまい、本人はだんだん薄黒い色に…そして黒かった影はだんだん色が
ついてくるんですね。そして最後には立場が完全に逆転してしまうという…怖〜い
お話です(笑)(物語の中ではのび太は助かるんですけど)(ちなみに河合隼雄先
生も御著書の中でこの話を持ち出されてましたね)
つまりアルを見ていたら、どうしてもこの話が思い出されて仕方なかったんです。
人柱と真理くん…真理くんはエドに「オレはおまえだ」と言ってましたが、それな
らやはりもともとは1つであったはずのもの。人間一人一人に必ず存在する真理く
んとは「影(シャドー)」のようなもの…自我を超えた世界に近いものであって、
人柱たちのように分離してしまった場合はやはり最終的に再統合され、完全な自分
に戻るべきもの、戻るはずのものではないかと…。
パーフェクトガイド3のP31には、「肉体(と魂)は精神によって繋がれている」と
書いてあります。つまり人柱とは、精神によって現世界と真理の世界とのつながり
を常に保っている人間ですよね。
そして恐らくその精神には龍脈が通っているので、逆転錬成陣が発動すると錬丹術
のパワーが精神を伝って、人柱と真理くん双方に働くわけです。
すると、どうなるでしょう?本来は1つのものながら別々に隔てられていた真理く
んと本体は、錬丹術によって再構築されはしないでしょうか…?
このあたりがきっと、人柱たちが元通りになるための希望の鍵だと思います。
個人的には90%ほどの確信があります。彼らが元通りになる望みはバッチリですv
しかし、ユングがこの作品を読んだらものすごく面白がりそうですよね〜(笑)
錬成陣は曼荼羅ですし、修行の成果として真理君に会う件など重ね合わせても、ま
るで錬金術ってヨガみたいです。
◆黒目玉は人柱の何を利用したいのか
あるいはまた、ラスボスが目的のために利用したいのも「人柱たちの精神」のみで
あって、その目的のためには人柱たちの魂や肉体などどうなってもかまわず、ただ
5人分の精神を、5本の「橋」のように、国家錬成陣のエネルギーを伝え運ぶ道具
として使いたいだけ…なのかも知れませんね。
その結果として開けっぱなしになる5人分の扉…。ストーリー的には成功しないは
ずの国家錬成陣計画ですが、もしも成功したとしたら陣の中央で何が錬成されるの
でしょう?ラスボスに何をもたらすのでしょう?
(上の考察とは逆に、人柱たちの魂があっちへ行って合体してしまい、5人の「完
全な真理くん」ができる可能性もありますが、だとしてもラスボスにとってそれが
利益になるとも思えませんしねぇ;)
どうしてもどうしても、そこが分からないのですが;;(悔しい!!)
ご意見などございましたらご教示下さい。
◆セリム考察
かわいいセリムたんも正念場を迎えていますね;
ロイの扉を無理矢理こじ開けた結果、自分自身も分解再構築されてしまい、ほっぺ
にほころびが生じてしまった彼の容れ物…。
複数のサイトさまで「できればこの手は使いたくなかった」理由がこれなのでは?
というご意見を見かけましたが、私も全力で同意したいです。
注目したいのは、穴の開いた頬を押さえた彼の手…そこから錬成光がまったく出て
いなかったこと。つまりセリムの容れ物は「構成物質不明+破壊できない頑健な容
れ物」ではあっても、本体そのものには「容れ物を再生する能力がない」とみて良
いでしょう。(もし再生能力があれば、見た目の変化も+−5歳以上に変身できそ
うですしね。)
従って、あのほころびは恐らく元に戻せないのです。ということは、「セリム」と
は壊れたらそれで終わりの構築物だということになります。
いや、思い返してみても…セリムのぞるぞるが再生している描写は今までにありま
せんでしたよね。とすると、プライド自身はあの攻撃力を除けば案外もろい存在な
のかも知れません。そしてあの中には、実はぞるぞるよりももっと大切なものが仕
舞われているのでは…?
これは先日書いた
考察#17「ラスボス考察その2」の中でも触れた部分ですが。
やはりここまで「セリムという容れ物」の大切さを強調してきているのを見ても、
この中にホムンクルス組の最も大事なブレイン部分=物語のラスボスが潜んでいる、
と考えるのはまったく自然な流れである気がします。
最後の最後まで今回の「使いたくなかった手」を残しておいたのは、あの容れ物が
真理空間を通るときの分解再構築に耐えられる回数が、1回がギリギリだと分かっ
ていたからですよね。そこまでして、どうしてもあの容れ物が壊れてはまずい理由
があったのだとすれば…。
中のものが「容れ物から出たら死んでしまう」せいだとしか、もはや考えつかない
のですが、いかがでしょうか。
ああ一体何を守っているの……セリムたん!?
また、これはストーリーと直接の関係はありませんが。
セリムが「見た目を変えられる」のが+−5歳ということなんですが、しかし現在
の見た目をおよそ10歳くらいと考えて、5歳から15歳まで見た目を変えられる…と
いうのは嘘ですよね(笑)5歳は幼稚園児だし、15歳ならヒゲも生えてるわけで。
マダムが集めた写真を見ても、正しくは「5歳以内」の変化だと思うんです。
逆に考えれば、セリム=プライドは「日蝕まで母親の目をごまかせればOK」とい
う計算で養子に入っているわけですから、最長に見積もってもセリムがブラッドレ
イ家にやってきたのは5年前くらいのある日、ということになります。
閣下夫妻の2人だけの生活は思いのほか長期間だったのですねv(らぶv)
それにしても、子供のない初老の夫婦のもとに元気な男の子が…って、「桃太郎」
を思い出します(笑)ただし鬼の子だったけど(笑)
◆閣下考察
閣下についてはもうね…。可能なかぎり語り尽くした気がしますね。ええ…。
もう102話を見た限りでは、この期に及んでいかなる考察も無用無益!という印象を
受けましたし。閣下……案じてますが……(涙)
でも覚悟はできております。どういう展開になろうと、目を逸らさずに見届けたい
心境です。(今から生唾飲んじゃいますが;)
ただ、やはりどうも、キャラクターとして最後に強調されるのが「ホムンクルスと
しての矜持」だとすると、心のどこかで残念感がつきまとうのは否めないかなと;
もっともっと彼の中で「人間」と「化け物」とがせめぎ合うさまを見たかったな…
という思いは強いですね。(いえまだこれからだって遅くないんですけど!)
…などと言うと、もう半ばあきらめているかのように聞こえますが(苦笑)
個人的にはこのスカー戦が閣下の生涯の幕引きとはならないと思っていますので、
注意深く見守りたいところです。
勝負は五分五分かな?とは思うものの、スカーが(もしチャンスが来たとして)閣
下に果たしてとどめを刺すのか、刺せないのか、というあたりも興味深いですし。
そして、あああ……奥様……!!(もはや、あえて語りませんが笑)
しかし、やはりここまで来ても疑問なのは「錬丹術の件が閣下とプライドからお父
様に伝わったのか否か」ですね。(ラスボス考察その2で触れたとおりですが)
現時点までの黒目玉の言動には、上で書いた龍脈のこと、つまり逆転錬成陣が錬丹
術を組み込んで発動した際に、人柱たちが元通りの身体に戻ってしまうリスクがあ
ることに気付いている描写はこれといって見当たりません。
そのあたりに、個人的な一縷の望みを託したい思いです。(切に!!)
一縷の望み……それは、閣下が何らかの形で「人間のために」行った布石があるは
ず、というささやかな信念ですv
第101話へ