------------------------ 12巻 -----------------------

 いやはや、今回のテーマは何と言ってもキノコでしょう♪南方熊楠もびっ
くりの新種・「無能茸(ムノウダケ)」の発見…って冗談はさておき(笑)
 ポイントはやはり、大総統の正体が主要キャラ全員に明かされたこと、で
しょうか。今まで干されてたキャラも総出で、ストーリーは核心に向かって
ますね。ロイアイスキーにはたまらない描写も満載なんだけどvまずは話の
筋にそって見ていきましょうか。


 冒頭は、エドとニアミスした郷里からの帰途、待合い馬車ごと盗賊に襲わ
れるホーエンハイム父さん。撃たれて蜂の巣になりながら、やっぱり何とも
ないんですね。「化け物だよ」のコマはゾッとするけど、真実だからねぇ。
あの身体はやはりホムンクルス。魂だけをそのままに、何度も身体を再生し
てずーっと生きてるのかな?それとも、もっと手っ取り早く、全身賢者の石
でできてるというのもあり?
 今の段階では、お父様=ホーエンハイム=東の賢者=西の賢者というよう
に、彼は古代王国時代から生きている超人だと予想しているんですが、国の
始祖でもある彼がなぜその国を丸ごと犠牲にするのか…は謎ですね。もしか
して、クセルクセスの時に(国民そっくりそのままを材料に)作った賢者の
石の、パワーの期限がそろそろ切れそうなので、また超大量の賢者の石を作
るためにまず国家を作ったのかな…。(←未収録分の情報を含みますけど)
それだと、アメストリスの人々って「家畜の放牧」みたいに生かされている
ことになりますね。父さん、悪魔だ…。
 ただ、トリシャの言ってた「約束」のことがあるから、単純に絶対悪とも
断定できなくて。あの写真に対する執着が、もしかしたら鍵になるのかも?


 一方、リンとランファンを追いつめた大総統は、王道を説いています。
 ランファンを置いて逃げられないリンを「青臭い」と一刀両断、「情を捨
てることに何の躊躇もない」と断言。さすがです(笑)でもね…この「真の
王などどこにも在らぬ」っていうのは実は、深い根拠があるんですね。これ
だけで残忍とか、鬼畜だなんて呼ぶのは薄っぺらで。むしろ、理想だけを拠
り所にかっこいい事を叫んでるリンの方が、本当にまだ子供なんです。その
わけは、後半で分かるんだけど…。
 それより、ここではランファンを褒めなくちゃ!この娘、すごい女の子だ
ったんですね。武術もすごいけど、気迫はその上を行ってるよ〜。おまけに
美人だvリンランというカプ派生もうなずけます。
 でも何か、「主従」でしかも「大きな目的」を持ち、「身を捨てる覚悟」
なんて出来すぎ(笑)これはやはりロイリザに対応させるカプなんでしょう
か?エドとロイも対比させてあるけど、国のトップを狙ってる点でリンはロ
イと共通する部分がありますし。ロイもまた「捨てられない男」なわけだけ
ど、今後どういう風にリンとの差異が描かれるのか…面白いです。


 さて、今回のメインの1つは、スカーとウィンリィの因縁シーンですね。
 これは、うーん…スカーが自分のことを語り始めたのはいいとして、いき
なりエドがウィンリィの両親の件を詰問して、それをウィンリィが陰で聞い
てしまった…というのは、ちょっと強引な気もしますが(笑)
 でも、ピストルを離さないウィンリィを「お前の手は人を生かす手だ」と
諭したエドには、心から男前大賞をあげたいですvこのセリフ、震えがくる
くらい天才的だよー。15歳でこれが言えたら、ママは鼻が高いですよ(笑)
続くアルも、びしばし男前だしね。「不自由と不幸はイコールじゃない」は
名言だよほんと。トリシャさん、いい子育てしてたんですねぇ。。。
 このウィンリィとの件で、スカーに迷いが芽生えてきたようで。復讐の鬼
も、やがてエドたちの味方に回ると予想していますけどね。だってイシュヴ
ァル戦の元凶はホーエンハイムなわけだから、それを知った時点でスカーが
国家錬金術師を狙う理由はなくなってしまうはずだし。


 では…そろそろ本題に入りたいと思いますv(←まだ入ってなかった)
 もちろんあのセリフです。「わかってるよ」 あ〜んもうっ好き好きっv
ロイリザ支持者でいて良かったですよねーv満たされましたよね〜〜今回v
だってですよー?分かってるのよー?あの怒った顔がリザの優しさで、自分
を気遣ってくれてることを受け入れてるんですよーロイは!
 これを両思いと呼ばずして何とするって感じv愛は発散するだけじゃ一方
通行なんだからね。っていうか、「発散しなくても理解し合ってる雰囲気」
が伝わってくる場面だったと思いませんかvリザがロイの指示に二つ返事で
応じるのも、「命令に従っている」のではなくて、思考がハモっているから。
「一方が動けない場面では自然にもう一方がその手足になる」っていう、一
心同体のきずなを感じてしまいます。
 ロイのあの表情は私、今までで一番好きな顔かも知れないです。他人を受
容する所を初めて見せてくれたよねv

 どうも何か、今までいつも地位に物言わせてふんぞり返ってる彼ばかり見
てきたせいか、この巻では彼をクソガキ(v)とか若僧(v)呼ばわりする
「お年寄り」の視点があって、とても新鮮でした。エドたちと一緒の時は否
応なしに大人役のロイですが、社会全体から見ればまだまだ若者なんだよね。
リンと自己紹介し合うシーンとかも、将来の政権を握る気マンマンで(笑)、
好感度でしたし。むちゃくちゃ年相応の野心家の青年に見えて萌えたv
 リザはリザで、髪をなびかせたペコー仕様で車上から百発百中しちゃうし、
なんかもうヒロイン!何度見ても惚れ惚れするよーvこれのどこが「部下」
ですか?ペア、と言うべきだよねほんと。(ちなみに「飼い犬」っていうの
は何てゆーかSMっぽいよ大総統さま(笑)ここはむしろ「情婦」と書いて
「イロ」とルビふってほしかったところです。)


 さて、サブタイトルの「戦場の少女」というのは、今回この12巻全体を言
い表しているようで絶妙なんですが。中でもウィンリィは、今回最も立場の
変化が大きくて、一気に戦いの当事者になってしまった感じですね。
 何と言っても自覚しちゃったしv可愛いな〜あのシーン。でも、エドが大
声を出すために列車を離れた時には、あれー告白でもするのかなって思いま
したよね(笑)
 っていうか、「今度おまえを泣かせる時は嬉し泣きだ」とはすごいセリフ
だよ〜豆くん。青春だねぇ♪後日どういう風に嬉し泣きさせるのか、楽しみv
 しかし、気になるのは大総統とウィンリィの会話です。やっぱり、エドの
機械鎧の修理係だということは話してしまったんでしょうね。「大切にした
まえよ」はつくづく怖いなぁ…。今後、人質に捕られなければいいんですが。


 そして、メインディッシュ。
 皆がそろった「使える空き家」で、大総統の正体はついにバレたのでした。
これは正直、案外早かったな…という感触だったのですが、今(53話の段階)
から思えば、あれで作者さまの計画通りなんですね。だって、彼の正体はも
う1つ、さらに奥がありそうなんですから…。
 この時、大総統がホムンクルスだと知った際のロイの反応、「大総統の椅
子から引きずり降ろしやすくなったな!」っていうのが、けっこう驚いた。
普通の人間だったら少し良心の呵責を感じたの?や、優しいのね…。まぁ、
「化け物なら周囲も納得するな」って意味かも知れないけど。
 それより、自分の腕を切り落としたランファンが、一切の後悔なしに機械
の腕を希望しているのを見て「強いな」と表現したロイには、素直に萌えま
したvランファンにリザを重ねて見ていたのかな、とvここでもリンランと
ロイリザは対比させてあるような気がしました。もっとも、リンたちの場合
はまだランファンの片思いに留まっていそうだけどね。


 一方で、皆がワイワイと自分の噂をしているのを見透かすように、大総統
さまは更にその奥深い部分を告白してくれましたね。
 このプライドとの会話については、すでに大きな考察をまとめたのでここ
では触れませんが、この時点で私、「大総統裏切り説」をほぼ確信するに至
りました。(ご興味ある方はこちらへどうぞ)
 それは今は置いておくけど…予想もしなかったですよね。この無敵に見え
た独裁者が、内心でこんな葛藤を抱えていたなんて。ほんと、王道なんて綺
麗ごとじゃないってよく分かります。正義が勝つとは限らないし、真の王な
どどこにもいない、と彼が言うのも身にしみるよね。
 この「若者たちの時代」という言葉は、年をとる身体を持っていなければ
出るはずのない言葉。やはり他のホムンクルスとは違って時間の制約を受け
る彼は、ある種の限界を自分に覚えているのかも知れません。それは「死」
の予感みたいなものなのかな?


 さて、そして場面は再び「使える空き家」。本性化したグラトニーは、ラ
ストの仇であるロイを飲み込もうと躍起に…怖ーい。
 恰好つけたものの、せっかくの炎は飲まれるし、ついてこないでとか、無
能とか使えないとか、こてんぱん(死語かも)に打ちのめされるロイはかわ
いい(笑)いや、みんな傷の癒えてないロイを気遣ってるんだろうけど、屈
折した物の言い方をする人間ばかりなところがイカすわ。一番効いたのは、
「本気で役に立ってない」という一言ねv
 このダミーについては、「錬成痕あり」ということでコート以外はロイの
着用品ではないことが分かってます(笑)ので、ここでは逃亡時のロイリザ
密着度についてコメントしようかと…。ええ、病的ですv承知の上ですよv
ロイに肩を貸しているリザの服=厚さ計1pくらい+ロイのシャツ一枚分、
ってことは、やっぱり12巻を通して最も接近した記録!?…なんてね(笑)
 実は、表紙で新参のカプが堂々と密着していたので、ちょっと羨ましかっ
たんです。(←すごい素直)
 いえ、真面目なところ、ジュニアたちが大人の立場を気遣っているのには
何だかじんときました。大人(ロイリザ)は社会義務があるから、裏で動く
のにも限度があって。だから裏の方は任せとけ!表から敵を頼む…という意
味でしょ、エドの言葉。さんざん大人をこき下ろすけど、良い子だな(笑)


 終わってみれば、ガールズに負けずにボーイズも思いっきり男前で、みん
な紙面から飛び出しそうにパワフルな一冊でしたねv
 敵キャラも簡単に悪を背負ってはくれなさそうだし、ますます次巻が待た
れる展開に…って、最後は月並みになっちゃった(笑)