劇場版鋼の錬金術師『嘆きの丘(ミロス)の聖なる星』鑑賞記
はじめに
・はい、では詳細な感想いきまーす(笑)
・とはいえ、実は鑑賞した直後はですね。嫌が応にも原作やFAと比較してしまって、否定的
な感想しか出て来なかった私なんですけれども…(苦笑)
・でも、公式パンフレットに掲載されていた脚本の真保さんの言葉…「シナリオ担当者として
原作の重厚かつ緻密な作品世界という大きな掌の上で遊ばせてもらったようなもの」という、
たいへん謙虚なメッセージを拝読してから、ようやく前向きに楽しむ心が芽生えました。
・そうですね、その通りですよね!スタッフの方々はどなたも「新たなサイドストーリーを作
るんだ!」なんて考えてはいらっしゃらなかったに違いありません。そんな不遜なことは(笑)
ただ、広大な鋼の宇宙の中でみんなでもう一度遊ぼうよ!という企画……それが今回の劇場版
だったのではないかとvそう思えてきました。
・だから私たちも、少しくらいの反則は笑ってナシにして、ただ存分に鋼の世界観を楽しめば
いいということですね♪
まずは建築物!鉄橋!美術!
・とにかく、まず何と言っても建築物が美しかったです。バベルの塔にも似た、ゆるく螺旋を
えがくようなテーブルシティ本体から始まって、「これってどうなって支えてるの?」という
疑問を抱かずにはいられない、ジェットコースターの線路のような不思議な構築……さらには
グランドキャニオンも真っ青な深〜い谷を幾つも幾つも超えてゆく、そこだけ奇妙に近代的で
鉄と油のにおいのする美しい鉄橋!!
・本国アメストリスとは設定してる世紀そのものが違うんじゃないの?と思ってしまうほど、
テーブルシティの光景はそこだけ異質に未来的なんですよね(笑)どう見ても産業革命時代の
技術じゃないでしょあれは!…っていう。ループしてる線路なんかは首都高速みたい!
・そのアンバランスな部分、「人々の暮らしはこんなんなのに、建築だけこんなに発達してる
訳がないのでは?」的な不思議な違和感。それがあちこちで目にする「ジブリっぽい」という
感想の原因だと思います。(ジブリ作品は、建築というよりメカニック面が独自の方向へ妙に
発達してるんですよね(笑)そこがすごい魅力なのですv変な飛行機が飛んでたり〜)
・そこへもってきて作画がまたアナログ指向で、今どきのアニメの線のシャープさからは程遠
いテイストだったから…(笑)だから「何やらラピュタっぽい」等のイメージを持ってしまう
のでしょうね。(飛行石ならぬ赤い石も出て来るし〜笑)いえ、でもそれはそれで味わい深い
面白さがあったと思います。変な言い回しですが、そういった背景の中でもエドアルは溶け込
めるんだな〜というか?
・特に、旧ミロスの街の地下に眠る教会だの何だのは妙に近代的だった気が…。というか、そ
もそもアメストリス中央の軍設備よりも、ヨキもどき(失礼、ソユーズさんですねv)のいる
司令部やクレタの軍施設の方がはるかに現代に近い、という感じが…(笑)
・だから、ロイとリザが中央から駆けつけた時に、どうしてもそのあたりで場違いな印象とい
うか、「今回私たちはゲストにすぎません感」が漂ってしまったのは仕方のないところでしょ
うか(^^;)
・「張り巡らされた伝声管」というのがまた(笑)(いや、アメ国には「お父様管」があるか
ら技術的には同等なんでしょうけどね)アメストリスでせっせと「手作業で」地下トンネルを
掘ってるスロウスのことを思うと、何だか哀れだなーというか、お父様たちってこつこつと頑
張ってるよな〜というか(笑)ミロスで先を越されちゃったねvみたいな?(あはは^^)
物語としての作中時間
・これは11.5巻の中に考察コーナーがありまして、原作11巻の44話〜45話あたりのタイミング、
という答えが出されています。(なーんだもう考察済みなのねー笑)
・素晴らしいと思ったのは、エド役の朴さんが的確に「その時点でのエド」を把握した上で演
じていらしたことです。(公式パンフレットの中のコメントで、朴さんは「11巻での墓暴きの
後」のエドの心境を代弁しておられますが……何というか、「ああ本当にエドはこの人の中に
いるんだなぁ」という気がして、すっごく感動的なコメントでした!
誤植ひどい;)
・そう、ホーパパの言葉である疑問に気付き、それを確かめるために人体錬成で錬成した「母」
の遺体を掘り起こす……あのハードな描写の後、というのが劇場版の作中時間なんですね。
・その結果、「あの時錬成したものは母ではない」つまり死んだ人間は決して錬成できない、
という真実をエドはつかむわけですが、ただしこの時点ではまだ「自分自身の人体錬成は可能
か?」というところまではつかめていない。(言うまでもなくそれは可能なんだけど、それが
解るのはグラトニーのおなかから脱出する時なので)だから、そのことをジュリアに助言する
ことはできないんですね。
・今回の劇場版では、とても巧みにその時点での情報(真理の扉に関する)を使ってストーリ
ーが展開されていたと思います。特に、異国の錬金術を使っても「真理の扉」へ行き着けるん
だな〜とか、ジュリアの両親の研究がそこまで到達していた、というあたりは面白かったです
ねvミロスの民、というマイノリティが「化学(or科学)」としてではなく、むしろ神話とい
うか……宗教的な象徴として錬金術を研究していて、その絶対的な力の源として聖なる星(イ
コール賢者の石)が位置づけられている、という設定が興味深かった。
・まぁ、むしろそちらの方が実際の中世の錬金術に近い…のかも?(笑)本当の錬金術って、
結局は「世界のありようを説明する手段」、哲学ですから。
・というわけで、この映画にシン組が登場できなかったのはミロスの錬金術があったせいです
よね〜(笑)錬丹術とかぶっちゃいますもんね!(^^)
・そしてホム組が(閣下すらも;)登場できなかったのも同じ理由。だってあの人たち、賢者
の石で成り立ってる身体なんだもの〜!そんなキャラが登場しちゃったら物語がもめてもめて
仕方ないですし(笑)
錬金術世界について
・違和感があったとすれば、まさにその部分……錬金術の科学的根拠、の部分かなと思います。
メルビンの登場シーンは最初「氷結さん」かと思った!(笑)(なつかしーーー笑)
・錬成陣なしで錬成可能なのはいいとして、氷とか電撃とか炎とか、あんた魔法使い!?(笑)
物理法則はどこに行っちゃったのー!?……などと突っこみを入れたくなりますが、まぁその
あたりは原作の世界ではないわけだし。いちおう「賢者の石を飲んじゃってましたv」という
ことで説明は可能ではあるんですが。が……(笑)
・うーん、やっぱり作る側としたら「錬金術バトルに対するドリームv」が入ってしまうんで
しょうかね(笑)カッコ良く魅せたい!という。
・あと、違和感があったのは(というか「ドリーム」だよなーと思ったのは)、触れただけで
錬成陣が輝き出す、という描写(笑)よく魔法ものとかで、剣に刻まれたルーン文字が光り出
して……とかありますけど、それと同じ感じ??「錬成光」はあくまでも物質が変成するとき
の熱によるんだと思うんだけど…(違うのかしら^^;)
・まぁそのあたりはホント、劇場版では「錬金術=魔法」なんですよ(笑)だから予告のハリ
ーポッターが実写版鋼に見えちゃったりもするわけですよね!(爆)(最後の兄妹バトルなん
かはほんとに魔法合戦に見えました笑)
・ただ、ラスト近くで溶岩を食い止める錬成あたりはまぁ、原作にも存在する描写ですからそ
れほど違和感はないんですけど……でも「焔の錬金術師」たるロイの扱いについてはね(笑)
ちょっと可哀相すぎたような気がします。だって手パンすらなし、モーションもなし、発火布
もなしであれほどの炎を「掌から」繰り出されちゃったら、すでにロイが太刀打ちできる相手
じゃないじゃない!?
・つまり、原作の錬金術バトルの面白さ、というのはまさに「物理法則によって制限されてい
る」からこそなんだ、ということを思い知らされた気分ですね(笑)「何でもあり」というの
は、時によっては物語をつまらなくするものなんだなと。そのあたりの抑制の仕方こそが荒川
先生の才能なんじゃないかしら…。(うーん、男女差かも知れませんね(笑)もし男性作者だ
ったら「何でもあり」のバトルを描いてたような気もする。今回みたいに^^;)
物語の感想
では、ここからはフリー感想ということで……萌えポイントなどなどを語ります(笑)
・映画中盤からロイアイが西へ行くまでは、リザたんはまだロイのそばにいる時期の設定だし、
閣下は出て来ないしで…もうまるで「ロイが中央司令部のトップ」みたいな描かれ方で(笑)
事件の処理も全部任されて、ちょっと偉そうでかわいかったーv西へ行くまではね…(ぼそ)
・ウィンリィが執務室に入って来るとかってあり得ないけどまぁ良しとして(苦笑)その後の
ロイのセリフってロイエド好きさんへのサービスだったのかなー(^^;)そういう意味ではロイ
アイ描写と同じくらいの量でしたね……ロイエド描写。
・そこかしこにミステリーの要素が散りばめられていたのは楽しかったvなぜ刑期が明ける直
前にメルビンは脱獄したのかとか、土壇場で偽者だったと分かったりとか。ハーシェルさんが
出てきた時点ですぐ「こっちが本物だな」とは見当がついたのだけど、まさか顔の皮をはいで
くっつけていたとは…。
・というか、皮をはぐシーンが多かったですよね(苦笑)なるほど、リザのパクリなのは気に
入らないけど…でも生身の肌に刻まれた錬成陣を即座に奪うには、実際そんな方法くらいしか
ないのかも知れないなどと感慨深かったです。悪いやつが大人しく錬成陣を書き写すはずもな
いじゃない?(笑)写メも撮れないしー。リザたんも、ロイに早々に伝授しなかったらいずれ
嗅ぎつけて秘伝を狙う悪者がやってきたりして危険だったのかも!!つくづく、相手がロイで
良かったねv
・でもクライトン夫妻って色々壮絶だった…;あの逆さ吊り殺害現場とか、大人でもギョッと
しましたし…(今回ちょっと血なまぐさい描写が多すぎた感もありますけど;)それに、子供
たちに錬成陣を彫ったのって結局は愛情からでも何でもなかった気もするし。(リザパパはね、
あれはもう明らかにロイに伝わるのを見越してリザに託しているわけだから、あの入れ墨は父
の愛の遺産なのですけど)
・というか、イシュ戦で南の国境へ逃げたイシュ人たちがアエルゴに無視される描写が原作に
ありますが、クレタへ逃げたクライトン家の描写ってちょっと似てましたね(笑)ミロス人へ
の虐待はきっとイシュヴァールがモデル。制作側も、あれこれの要素を原作27巻分のあちこち
から引っぱってきて、世界観を維持しようと務めておられたのでしょうねvそれを探して楽し
む、という楽しみ方も原作ファンにはあるような♪
・谷底の暮らしがまた、何ともジブリっぽいアナログな感じで…(笑)そこで起こっている事
はなんとも悲惨ではあるのですが、情景だけ見ているとどこかぬくもりを感じさせる、という。
民族衣装がまた、ナウシカの作中衣装と似てたりしてね(笑)そしてやはりゴン爺さんの存在
は通風口のような役割だった気がします。機械鎧を通じたウィンリィとのやりとりは微笑まし
かったv(エドの機械鎧を見たときの反応が、ドミニクさんの機械鎧を見たときのウィンリィ
と同じだったり…笑)
・オリジナルキャラではあるけど、ジュリアとメルビンの兄妹にはわりと感情移入がしやすか
ったですね。ジュリアはかわいいし、メルビンも美形だったし。ジュリアが傷を治してあげる
シーンとか、イヤリング錬成のエピソードとか、兄妹萌えでしたv(でも、イヤリングの思い
出話をジュリアが語った時、メルビンがそのことを忘れていた事が「偽者」への伏線だったと
は気付かなかった〜笑)
・緊迫した状況ではあったんですが、やっぱり列車の旅はいいなぁとすごく思いましたvロイ
とリザが向かい合って座席にかけてる図ってなんてかわいいんでしょうv(きゅんv)ウィン
リィだけ後ろ向き座席に座ってたのは2人に気を利かせてくれたからだと勝手に納得v
・しかしあれですね、便利な小悪党というか、ちょっと目端の利く小物を描こうとするとヨキ
になるのでしょうか(笑)ソユーズさんは絶対ヨキの親戚でしょ!母方の従兄弟よね!(?)
・でもロイを撃とうとしたのはいけないなぁヨキさん(だから違うって)。リザたんが気付い
て瞬速抜き撃ちするカットはあまりにもカッコ良かったですねっvほ、惚れるわ〜…v
・その一方で、ロイの無能っぷりはかつてないレベルですごく可哀相でした;ストーリー上、
仕方がないとはいえ;;結局彼って、ラスト戦をふまえた「焼いてふさぐ応急処置係」でしか
なかったんですね…(ぽんぽん)
←肩をたたいてあげた
・あ、あとは一応、ジュリアの人体錬成が「未遂」で済んだことを確認する係ですか。でも、
あのオチは個人的にとても良かったと思いますけどねv結局、兄はまだ死んではいなかった…
かすかに息があったために「人体錬成」には該当しない、ジュリアは禁を犯してはいない、と
いうのがね(笑)(ただし、人体錬成はしなくても石の力は使ってしまったわけで…そのあた
り、原作の「抑制」がいかに厳格か、そしてだからこそいかに素晴らしいか、という事を再度
思い知らされます。唯一アルが石を使う場面だって、「石の中の魂と一緒に闘うため」という
凄まじい理由付けがされているわけですし。エドに至っては、主人公だけど一度も賢者の石を
使ってないんですからね〜)
・しかし、復讐の描き方もいろいろあるんだなと感慨深かったです。今回のクライトン兄妹は
仇討ちを果たし、その上で2人ともスッキリして前向きに生き残りましたが…。先日の某ヒー
ローもので描かれた復讐劇では、死刑制度がない都市ということもあって捕縛どまり、その上
で自業自得の事故死という演出になってましたし。そしてロイの復讐劇ではご存知の通り、リ
ザの愛がロイのとどめを思いとどまらせた上で仇そのものが自死、という描かれ方だったわけ
ですが…。まぁエンヴィーの場合は人間と同等の存在ではないので、人間の尺度では測れませ
んけどね。それでも昨今、恨みを晴らしてスッキリvという結末は珍しいのかも知れないな〜
と思いつつ観ておりました(笑)個人的には今回の復讐はスッキリしましたよ(^^)
・そしてまた、兄妹が別々の土地へ去ってゆくラストが……しかも兄妹の絆が切れたままでは
なくて、新しく結び直した上でそれぞれに前を向いて……という描写が秀逸だったと思います。
イヤリング再錬成、萌え〜vそして別れの挨拶はナシ、という清々しさが良かったなv
・結局、「禁断の絆」とは兄妹の絆のことだったと解釈していいのでしょうかね。別々の方向
へ旅してゆく様子は、もしかしたら原作のラストのエドアルの旅路をヒントにしていたのかも
知れませんね!
と、そんなところでミロス詳細感想とさせて頂きます☆
もちろん、「最後は線路で」というのはもうお約束でしたね(笑)主題歌も「旅は続くんだ」
と叫ばんばかりのノリノリなサウンドで、劇場版の幕を無事に下ろしてくれました☆
(2011/7/5)
追記
・日を空けずもう一度鑑賞するチャンスがありましたので、さらに蛇足というか追記をば☆
・やっぱりジブリ度が高いなぁと感心しきり(笑)筋を知りつつ細部まで冷静に見てますと、
1回目に受けた印象に加えてさらに重なる部分が具体的に目に飛び込んできたりして。
・まずキャラの走りかたがジブリ〜v「コナン走り」?(笑)それからジュリアが谷に帰還し
て、チビっ子たちが「また学校で教えてくれる?」って言ってるあたりなんかもろにナウシカ。
「姫ねえさま」状態ですよねジュリアは(笑)ゴン爺はまんまジブリ側からトリップしてきた
ようなキャラだし、ソユーズ中佐は2回目見てるうちに何だかクロトワに見えてきてしまいま
した(^^;)(ミランダはちょっとだけクシャナ様が入ってますかねー)
・ミランダを刺した後でメルビンがジュリアに正体を告げるところは、ムスカがシータに自分
の正体を告げる場面ともろに被るし、ほんとに全編これラピュタ+ナウシカですね〜。見事な
までに(笑)
・でも、11.5巻に収録されてるプロデューサー御三方の対談で、かなりぶっちゃけて裏舞台を
明かして下さってるのが親切と言いますか(笑)「目指せカリオストロ」だったと聞けば、何
となく納得してしまう自分がいますし…。上の方の感想で取りあえず物理法則はどこいったー
みたいなことを書きましたが、スタッフさん方もそんな事は分かってやってたようだし(笑)
うん、この対談を読めば劇場版の悪口を言ってはダメだな〜と思ってしまいますよね。だって
劇場版企画の動機が「原作とFAが終わってしまう寂しさからだった」って…。それは私たちが
2010年の初夏に痛いくらい胸に感じてたもの、そのまま同じ感情なんですもん。十二分に理解
できますよ!!
・それを聞いたら、3回目はもっとリラックスして観られる気がしてきました(笑)(ははは、
まだチケットを持ってるんですよ何故か^^;ははははははv)
・だけど、こうも思いました。この作品は鑑賞前の予習が必須ですね。ミロスの民の置かれた
状況などは複雑で難しいし、ジュリアたちクライトン家がなぜあちこちから忌まれたり、狙わ
れることになったのかも一度では理解しきれない部分が…。ですから、もしこれからご覧にな
る方がいらしたら、もうここは積極的にネタバレをお読みになることをお薦めしたいですね。
(あ、別にうちのサイトでということじゃなく^^;もっと分かりやすいネタバレサイトさんが
多々あることと思いますので☆)
・特に、なぜ鮮血の星(賢者の石)を使うことがミロスの独立につながるのか、という部分は
理屈では分かっても共感しにくいものがあったりしますけど(苦笑)でも、前もって予習してお
けば鑑賞の助けになることは間違いないと思います!
・あと、「Otome continue」の中のインタビューで三木さんが言及しておられた、「どうし
てもロイが言うのは納得できない」セリフの件ですが…。(本を読んでない方々のために説明
しますと、今回の劇場版台本の中で三木さんがどうしても納得できないロイのセリフがあった
そうなんですね。で、朴さんに相談したら朴さんも同意見だったそうで…。結局2人で申し出
て、そのセリフをエドが言うテイクも録ったそうなんですが、使われたかどうかは分からない、
ということなのです。)
・個人的には、そのセリフは恐らく最後のセリフだと思います。帰りの列車の中で、ロイがエ
ドに「あれは(=ジュリアが兄を甦らせた件は)人体錬成ではなかったんだな?」と尋ねて、
エドが肯いて説明した後のロイのセリフじゃないかと。うろ覚えなんですが…失われた命は決
して戻っては来ない、だからこそ今生きていることに意味がある?というようなセリフでした。
確かに……違和感ありありですものね(苦笑)ただし、結果としては元のままロイのセリフと
して通ってしまったわけですけど;(うーん^^;)
・つまり、三木さんや朴さんの思いはこうだったのでは?あの場面、人体錬成でできた「母」
の墓を掘り起こしたエドは、11巻で1つの確信に至っているわけですから……その体験をふま
えてあのセリフをエドが言うなら説得力に満ちています。けれど、ロイはまだヒューズの件で
完全に吹っ切れてはいない時期……。しかも直前にハボックを(戦力として)失い、彼の脊髄
を賢者の石で完治できないものかと模索していた時期です。そのロイが、ああまで清々しい顔
で断言できるセリフではないのでは?(苦笑)…とね。確かにその通りでしょう?
・いえ、このお話を聞いて、朴さんや三木さんがどれだけ魂をこめてFAの一年間を過ごしてこ
られたかを改めて思い知りました。何て真摯に、キャラクターとの一体化に心を砕いておられ
たのかと…。そうでなければ決して思いつくはずのない疑問ですものね!いや、感服です。
・まぁ最終的には、大人であるロイがあの場を「締める」ためにあのセリフを言うしか仕方が
なかったのだと思いますが…。でも、裏の裏、決して公にはならないエピソードとして個人的
に覚えていたくて(苦笑)重箱の隅をつつくようですが、ここに書いてみた次第です☆
※追記の追記になりますが、上記の件で情報をいただきましたので再び言及させて下さいませ。
・音響監督の三輪さんのツイートにて、「最後のセリフについて揉めた」ことは公式になって
いるそうです(苦笑)無知ですみません;やっぱりあのセリフだったのかという思いですが…
・でもしかし、三木さんたちの訴えで夜中までアフレコを続け、誰一人集中力を途切れさせる
ことなくやり切った、とも書かれているそうでして…。そこまで試行錯誤してみて、結果とし
て元のままだったとしても、それはもう作品としてそれがファイナルアンサーだということで
良いのではないかと…思いますよね(苦笑)あれはあれで正しい、と。
・ともかくここで指摘したいのは、そのセリフ1つ、言い回しのニュアンス1つで世界観が狂
ってしまう現実こそ、原作の鋼世界がいかに緻密で、いかに作品を通してブレのない構築にな
っているかを証明するものだろうということですね。(2011/7/18)
(I様、情報提供ありがとうございました!)
・2度目の鑑賞でいちばんきゅーんと来たのは、ラストで帰路についたエドアルウィン+ロイ
アイ組の乗る列車が、セントラルへの最後のカーブを曲がってゆくところでした。そのとき、
遠くにシルエットで中央司令部が浮かび上がるんですね!…ああなんか…あの四隅に塔のある
シルエットを見たら胸にぐっとくるものが…(涙)映画の作中時間が11.5巻だとしたら、まだ
まだ先は長いんですけど…でも物語の最終着地地点である中央司令部は、静かにその「時」を
待っているのね、というような…。そして、まさにそこへ向けて線路は続いてゆくという…。
何とも言えない感慨を覚えました。うん、やっぱり劇場版、楽しかったですv
制作スタッフの方々、ありがとうございました!!
(2011/7/8)
文責:結城鈴々