◆誰がために扉は開く◆

**** ロイアイ考察第9弾(本誌第62話ベース) ****





本誌2006年9月号、ついに……ついに、そ の 時 は 来 ま し た !!! 
世の何万というロイアイ支持者が待ち望んでいた一瞬が訪れたのです!!!

それは友情? それとも恋? 片思い? 両思い? それともただの不器用……?
2人の登場以来、長きにわたってファンの妄想インスピレーションの源泉となっていたこの疑問に、つい
にファイナルアンサー「相愛v」の作者認め印がめでたく押されたのでしたvv
手元の統計では、発売日の全国の赤飯消費量は通常営業日の3倍だったとか……それはもちろん嘘ですが、
クラブ嬢に囲まれながらいつもの不遜な表情さえどこかに置き忘れ、すっかりダメな男を半ば素のまま演
じながらも100%の本音を吐いてみせる三十路の男に、魂を抜かれた妙齢のお嬢さん方が何万人もいらした
ことは確実でしょう。
しかもその男は、今までクラブ嬢たちに「割り込むチャンスもない」ことをアピールしていたと判明した
ばかりか、「いつでもデートOKだよ」などとリップサービスをする舌の根も乾かないうちに、当のエリ
ザベスを奪還するための(←最終的には、ですが)壮大な作戦を遂行しているのです!!
執務室の場面はもとより夫婦。ああ、こんな幸せが我々に訪れていいのでしょうか?もちろんYES!!

それにつけても、軍の内部にはかけらさえ漏れてはいけない2人の関係を、その深い事情も含めて見守る
第三者がいた…という事実には、まるでみなしご達に頼れる保護者を見出したような安堵感を覚えました。
そして同時に、間諜映画を見ているようなドキドキ感を!
マダム・クリスマス……何者でしょう? そう、恐らくは……東方に引っ込んだおじいちゃん・グラマン
中将の、若き日の「女友達」。そして高い確率で、軍人を多く客に持つクラブ経営者の顔を隠れ蓑にする、
おじいちゃんの陰の協力者。つまりは専属の情報収拾屋……。
いえ、今回はマダムの考察ではありません(笑)
萌えはまだ未消化のままですが、別の場所で発散することにして。
この考察では、閣下がロイに開けさせるはずの「扉」についてを、今までより踏み込んで考えてみます。


まず、荒川先生がなぜこの時期に2人の仲を肯定してきたのか、というのが重要ではないでしょうか。
仮説はこうです。
恐らく今後のロイを描くにあたり、リザとの仲があやふやなままでは演出効果がなくなるから、という理
由でしょう。つまりこの先、彼らの間には愛の問題が必ず派生してくるのだと思います。
しかし、今までならそこからひと飛びに「それは扉の件!」と考えたところですが……今月号で明らかに
なったのは、どうやらロイアイの試練は「対ホムンクルス戦が終結した後」が山場らしい、という新事実
でした。
これは取りも直さず、ロイもリザも「扉」の件では少なくとも命を落としたりはしない、ということ。
つまり、ひとまずは朗報と言えますねv10中8、9、まず確実に、2人の愛と生死の問題は物語の最終局面
で持ち出されるような気がします。そしてそれは、敵と死闘を繰り広げて生死が……という類のものでは
なくて、ある意味で自己の内面との戦い、そして国じゅうの人々の審判を待つような形をとるのではない
かと予測できますね。(←民主制にのっとり)
もちろん、それに先立つ対ホムンクルス戦は、十分に死闘と呼べるものになるのでしょうが……。

では、それなら「扉」の件はロイアイに何をもたらすのでしょう。
整理しながら考えてみます。




1:「扉」を開けたらどうなるか
今までの例では、「扉を開ける」と「人体錬成をする」はほぼ同義でした。ただし、死んだ人間の錬成は
不可能だと判明していますね。生きて「扉」内に入ってしまった場合、代償として「賢者の石」を持って
いれば、自分たち自身を錬成し直して元の場所に戻れる……これでいいのでしょうか。(自信がない;)
ただし、このやり方では代償として自分の身体の一部を犠牲にはしていませんから、生還しても錬成陣な
しで錬成可能にはならないかも知れません。それとも、真理君に会えればそれでいいのでしょうか?
また、本物でなくグラトニーのお腹を利用した場合、同じ効果が得られるのか……それも不明です。


2:誰を錬成させるのか
もっともありそうな予想が、「ロイに扉を開けさせる囮としてリザを使う」という構図ですね。
つまり、リザを殺さずにアルと似た状況にする。そしてロイに取り戻させる……。もちろんロイは大怪我、
リザは手元にあったリカちゃん人形に魂を定着させられるのでしょう。(いえ、すみません;)

しかし、今やこれは絶対にないとほぼ断定できます。「失った身体を取り戻す」ことは、あくまでもエド
とアルの命題なのです。今月号で明示されたように、ロイとリザの命題は社会に対する戦争責任。ここで
ロイアイの目的が兄弟とかぶることはもはやあり得ないでしょう。(ページの余裕もないでしょう;)
そして、何と言ってもロイはあれだけ大切にされている人柱候補。閣下は「お父様」の手前、あまり深手
を負わせずにロイに生還させなければならないのです。

あるいは、「もう死んでいる人間」を取り戻しに行かせる手もあるかも知れません。
例えばヒューズや、両親などの身内を、です。しかし……これでロイが禁忌を犯すとはあまり思えません。
もはや彼も清濁を知った大人だし、今の彼にはリザより他に「命よりも大切」な人間はいないでしょう。

また、エンヴィーが誰かの遺体に化ける、という方法(☆夜さん発案)もあり得るかも知れません。
いや、これはかなり可能性があるのではないでしょうか。口先だけでなく遺体を目の当たりにしたら、ロ
イだって冷静さを失いそうですし、その場の衝動にかられることだってあり得ますよね。何より閣下にし
てみれば元手がかかりません。


3:閣下の意図は何か
しかし、それ以前に確かめたいことがあります。
実は、閣下はロイの「優しさ」が悪しきものだとは言っていないのです。「強さであり弱さである」と、
人間の持つその感情が「強さ」ともなることを認めている。これは明らかにエンヴィーなどとは正反対の
点でしょう。
エンヴィーは人間の優しさを「付け入りやすい」と表現します。彼にとってはそれは「弱み」でしかない
からです。そして、もしも閣下がロイに「誰かを取り戻すために」扉を開けさせるのなら、閣下もまたロ
イの「弱さ」を利用することになるわけですね。優しさの持つ「弱さ」を。
これではエンヴィーと変わらないことになってしまう。ですから、これは適当な推論ではありません。

ここで問題なのは、強さと弱さ、どちらを閣下がロイに望んでいるかですが……これは明白でしょう。
閣下はロイの心を鍛える目的で扉を開けさせるのですから、やはり「強さ」を望んでいると解釈した方が
真実に近いはずなのです。
ただし、矛盾もあります。「ロイの弱さ」が「扉を開ける」方を選ぶのだとすると、必然的に「ロイの強
さ」は「扉を開けない」ことを選ぶはずですね。そうすると当然この場合、「ロイは人柱にはならない」
のです。
ロイが人柱の資格を得られなければ、閣下はもうロイをかばうことができません。「お父様」はすぐにで
も、ロイを始末することを閣下に命じるはず。それでもなお彼が食い下がるなら、今度はプライドのみな
らず「お父様」にも疑惑の目を向けられるでしょう。
しかし……それでもこの考察が多少なりと真実に近いなら、自らの立場を危うくしてでも、閣下はロイに
「扉を開けない」ことを望んでいるように、私は思うのです。

それは閣下にとって、「真の強さ」が「真の優しさ」だということなのでしょうか。
彼の待つ人間……ホムンクルスに鉄槌を下し、国家の膿みきったヴェールを剥がしてあるべき姿に戻す、
新しい大総統となるべき人間には、「扉を開けない強さ」が必要だということなのでしょうか。
恐らくは、その答えはイエス。それこそが以前、リンとの問答の中で彼が「真の王などいない」と断言し
た、その本意だろうと推測します。そしてそれは、イズミが号泣のさなかに「真理は残酷だが正しい」と
認めた、あの時の心の動きともリンクするのではないか、と。

思えば閣下は決して「扉を開けさせましょう」とは言いませんでした。「開けさせてみましょう」という
言い方は、「強制ではなく試してみる」という意味に受け取れますね。「試す」という言葉で思い出すの
は、閣下の執務室から解放されたロイ本人が車中においてリザと少佐に語った言葉です。
「試されている。光栄じゃないか」と彼が言い当てたそのハードルこそ、まさに彼の野望へのステップ。
ロイが閣下の意図を正しく理解している証拠である発言です。
とすれば、やはり閣下はロイの前に「扉」を示しながら彼を試すのでしょう。
優しさの「弱さ」に負けてそれを開け、人柱となってホムンクルスに利用されるのか……
それとも「真の強さ」をもって扉を開けず、人柱とはならずに次期大総統となるのか、をです。





以上のように考えてきたとおり、恐らくポイントはロイが生還できるかできないか、ではありません。
扉を開けてしまうか、開けないでいられるかが彼の運命の分かれ道となるのです。

ただし……イズミや兄弟の例が語るとおり、「扉を開ける」のは人間の愛そのもの、なんですよね。
死んだ人間を取り戻そうとする行為は、どんなに間違った「優しさ」であっても、人間の愛の力に他なり
ません。それすらも否定することができてこそ「真の王」だとする閣下の主張は、やはり厳しすぎる気も
大いにしますし、何よりロイにその愛を忘れてほしいとは到底求められません。(ファン心理として!)
まして、万が一リザが囮として傷つけられた場合、もし愛のままに「扉」を開けなかったとすれば、我々
がロイを決して容認できないことは目に見えていますし(笑)、逆に閣下の方がその愛の力に打たれて、
「弱さ」をもまた尊いものだと認める、という仮説にも説得力はあります。

しかし、ロイはヒューズの死に直面した際に一度はその間違った「優しさ」を思いとどまっている、とい
う事実があります。加えて、リザがこの件にどういった関わり方をするにせよ、自分への愛のためにロイ
が「扉」を開けるのを彼女が黙って見ている可能性は皆無ですし、それでもロイが開けてしまった場合、
「道を踏み外した」と判断されることは確実でしょう。
こういったことからも、ロイが「扉を開けない」可能性はかなり高いと推測できるように思うのですが、
いかがなものでしょうか。



さあ、混乱してきましたが(笑)2つに1つ、いったいどちらをロイは選ぶのか……
ロイアイの山場はまだまだ続きそうですね。
来月以降の展開にそなえ、「扉」考察、ここに置いておきます。





◆補足◆

後日、閣下の台詞が正しくは「開けさせてみせましょう」だったことが判明致しました。
よく確かめなかった私ですみません;上記考察をその点だけ考え直してみますね。

少々ややこしい言い回しですが、これはお父様の手前、閣下が「開けさせてご覧に入れましょう」と大見
得を切った…という認識でよいでしょう。これは一見、閣下は何が何でもロイに扉を開けさせるつもりで
あるように見えます。が……やはりこの場面、「お父様の手前」であることに変わりはありません。本気
で人柱を増やそう、という意図から出た発言ではないですね。

ただ…「閣下は開けないことを望んでいるのではないか」という上記での結論(一応の)には多少の揺ら
ぎを感じます。買いかぶりすぎかしら、と(笑)そんな人間らしさはとうに失っているのではないか、と。
でも。でも!です。
「真の王は感傷的な愛を切って捨てられてこそ」を貫く閣下が、ロイに(誰かを取り戻すために)扉を開
けろと望むはずは、ない、ですよね。ただし懸念が増えたとすれば、リザの身の危険性かも知れません。
「みせましょう」と言うからには、多少の強硬手段に出る可能性もあります。正反対の考察を上記に展開
してなお、閣下の言動にはいちいち身構えてしまいますね…。
でも、それでも増えた懸念は1%くらいかな。
リザが傷つく可能性はこれで5%ほどでしょうか。(←Lの真似/笑)
9/8追記







この考察は、☆夜さんより頂いたご意見「ロイは扉を開けないのでは…」をもとに広げていったものです。
☆夜さん、本当にありがとうございました!




文責:鈴々
2006/8/19