Carmine Day






「ほら……な?絶対似合うって言ったろ?」
「……石は……綺麗ですけど……」
「ふうん。君は俺の言葉を馬鹿にするんだね」
「ちが……っマスタングさん違います!」



それは今となっては面はゆい、彼女への最初のプレゼント。
ルビーとは名ばかりのシンプルすぎる代物で、
そもそも鑑定書も何もあったものではなかった。
なのに、あれから何度となくめぐってきたかの日に
どれほど高価で魅惑的な贈り物をしようとも、
リザはかたくなにその赤い石だけを身につけ続けた。





焔の色のピアス。

それは今となっては我々のきずなの試金石のようなものだ。
彼女の白い耳朶にその燃える一点を見るたびに、
まだ見捨てられていない自分を知って私は安堵する。



顔を見て話せないことがなんだろう。
その小さな焔が彼女の耳に宿っていることを認めるだけで、
私は彼女の無言の想いを感じることができる。
そう……言葉を交わせなくても。
視線さえ交わせなくても。
どんな人混みの中でも。
ただすれ違うだけでも。





離ればなれのままで、再びかの日はもうすぐ巡ってくる。
しかし、私の胸の内は不思議なほど静かだ。
たとえ傍らに君がいなくてもああ……私には見えるよ。
君の耳に、今夜も小さな焔はともされている。
そして目を閉じればそれは、一瞬であの日に重なるんだ。

あの日の、鏡の中の君に。
















ホワイトデー用に考えていた小話です。
イラストもぎりぎりだったし、もちろんSSSの方は
推敲する時間もなくて、結局3月14日には間に合い
ませんでした。情けなひ…;
タイトルはあまり深い意味はないですが、本来は
Whiteだけれどロイリザにとってはルビーの日…と
勝手に想像して赤(=カーマイン)にしてます。
鋼世界の季節は今、冬ですよね。いつまで2人が
別行動なのか分からないけど、一応春まであの状
態が続いたと仮定した話ですー。(や、裏で会っ
ていないはずはないと思うけど、一応…/笑)
う〜んそれにしても、あのピアスの謎はいつ明か
されるんでしょうね!!イシュヴァールでの再会
時にリザがあれをつけていたのって、ものすごく
意味深だと思うんですが。