軍服に着替える私をさりげなく手伝いながら、
リザは私の耳元で低くささやいた。
私にだけ聞こえる声で。

「…あなたも。大佐」

それは先刻の「死ぬな」の答えだった。


途端に、昨夜の情熱の残滓が胸の奥をすべり落ちていった。
深く。
えぐるように。

ああ…昨夜の君のからだ。
君の肌の熱さ。
君の悦びの声。
君の吐息。
君の蜜。
君の…


あれが最後の夜だと言われるくらいなら、
君を抱きながら死んでしまった方がましだった。

ああロイ・マスタング…
お前が考えるべきはただ1つではないか?

それはすべてを成し遂げてすべてを手に入れ、
そしてその代価を払わないで彼女を幸せにする方法だ。



リザ…







まだ、死ねるものか。
まだ。















クーデター開始の夜、マスタン組最後の命令
「死ぬな!以上だ!」の後だと思って下さい。
あの決起前の最後の夜って二人ともさぞ名残
惜しかっただろうなぁ…と。だって生き残れ
るか分からないし、全部終わったら2人の仲
がどうとか言ってられない状況かも知れない
じゃないですか!(読者は幸せな結末を確信
してても、作中の彼らは真剣なんですよね)
せっかくなのでロイには戦争責任など忘れて
等価交換を無視してもらいましたv(笑)
でも実際にそうなってもらわなくちゃ困る!